①簿記論の勉強をしようと専門学校の費用を見たら20万円くらいしてびっくり!そんなにお金をかけないで・・できれば独学で勉強をしたいけど合格できるの?
②もし独学で合格する事ができるのならおすすめのテキストは何?
このような疑問をお持ちの方にお答えします。
①簿記論は独学で合格する事は可能ですが、模試は受けておく方がいいでしょう。
②テキストについては下記にて紹介しますので参考にしてください。
税理士試験を受験するためには受験資格が必要です、詳しくはこちら
⇒【税理士になるには?】仕事内容と受験資格
受験資格
簡単に書くと高卒の人は受験資格がありませんが、日商簿記1級または全経上級に合格すると税理士試験を受験する事ができます。
簿記初心者の方はこちらの記事を順番に見るのがおすすめです。
税理士試験の「簿記論に独学」で挑戦
簿記論に独学で合格
独学で勉強したいという人はお金を極力使いたくない人がほとんどでしょう。
使わなくて済むのなら誰だって使いたくないですよね。
税理士を目指す場合、5科目全てに合格しなければならず、専門学校を利用すると相当のお金を使う事になってしまいます。
年20万
20万円の投資が安いかどうかは人それぞれですが、お金に余裕がある人やリスクを少しでも回避して合格率を上げたい人は専門学校を利用するのがもちろんいいです。
簿記論1科目だけでも20万円近くしますが、その簿記論が独学で勉強する事ができるとある程度の出費を抑える事ができます。
日商簿記1級については市販の教材のみで合格する事は十分に可能ですが、簿記論についてはできれば専門学校の模試を受けておいたほうがいいでしょう。
模試のすすめ
模試は入会金不要で3,000円払えば誰でも受ける事ができ、「解くべき問題を把握できる」のと同時に「自分の位置を知る事ができる」ので合格するためには模試は受けておくほうが無難です。
日商簿記1級と違って簿記論はスピード勝負になるので、どこを解くべきなのかといった戦略と演習が必要不可欠です。
○○点を取れば合格というものではなく、合格率は14%程度なので上位14%より上の点数を取るようにしなければなりません。
(模試を受ける人はレベルが高い人が多いため、実際は上位20%でも合格ラインといってもいいでしょう。)
模試を利用していないと自分ではかなり自信があると思っていても実際は上位40%かもしれません。
簿記論の特徴や難しさを知る事は今後のテキストや問題集選びの参考になると思いますので、「簿記論の難しさ」について見ておきましょう。
簿記論の難しさを理解する事
日商簿記1級と簿記論が比較される事はよくあります。
・日商簿記1級の難しさは工業簿記と原価計算にあり
・簿記論の難しさは問題数の多さにあり
(日商簿記の何倍も量があるのではじめてその量を見ると驚くと思います。)
簿記論は問題を見た瞬間に手が動き電卓をたたき答えを出すというのを繰り返して得点を積み重ねていくので、「問題を見る→解けそう→解いてみたけど解けなかった」
このようにしていると合格は難しいかもしれません。
時間との勝負になるので解く問題は全て確実に正答する必要があり、簿記論を何年も勉強したり合格が難しいという人はこの辺が弱点になります。
また、長い期間勉強することで解けそうな問題が多く見えてしまうため、逆に解けない問題にも着手してしまうといった欠点もあるかもしれません。
1年や2年で合格するためにはこの辺を徹底的に鍛える必要がありますが、やるべきことをやれば必ず合格する事ができるでしょう。
合格レベルにあっても合格できないといった事があるのが税理士試験の難しさでもあります。
簿記論というのがうっすらと見えてきましたか?
それでは次からいよいよテキストの紹介に入ります。
簿記論のテキスト
簿記論に独学で合格するためのおすすめの教材を紹介します。
※このページで記載している問題集はテキストに準ずる問題集であり、実践演習型の問題集ではありません。
実践演習型の問題集につきましてはこちらを参考にしてください。
⇒【簿記論】おすすめの問題集と過去問
簿記論・・独学におすすめのテキスト
a 簿記1級から簿記論に挑戦
b 簿記2級から簿記論に挑戦
c 簿記3級または簿記がはじめてから簿記論に挑戦
簿記論に挑戦する場合、上記3つのタイプに分かれますので下記にてタイプ別に紹介します。
a 簿記1級から簿記論
日商簿記1級修了者
※日商簿記1級合格者、商業簿記・会計学で合格点が取れていた人、学習済の人
<日商簿記1級から簿記論で不足する事項>
・実践演習
・帳簿組織、一巡、商品売買、特殊商品売買
日商簿記1級修了者が簿記論を勉強する際、不足するのは主に上記の2点です。
そのためテキストで知識をインプットする必要はそれほどないので、いきなり演習問題に入ってもあまり問題とはならないため問題集を解き進めるのもいいでしょう。
不安な方はテキスト等でインプットや復習をするのがいいでしょう。
「簿記1級等から簿記論」おすすめのテキスト
このタイプにおすすめなのは・・
・堀川の簿記論
ネットスクール出版のテキストで基礎→応用→攻略の3冊となっており、付随する問題集が1冊と個別論点問題集1冊の合計5冊です。
「ここがポイント」「受験生はここに注意」があるので抑えやすいものの、全体的に固い印象をうけるかもしれません。ネットスクールの教材は分かりやすいから~と選ぶ人は注意が必要です。
ネットスクールの売りである「分かりやすさ、とっつきやすさ、さくさくと読み進めることができる」といった所が少し足りないかな?といった作りになっているかもしれません。
簿記検定試験の教材としてはネットスクールの教材がもっともおすすめでしたが、簿記論は正直すすめられません。
ただ、この教材を使って合格された方もいらっしゃいますので、どう感じるかはその人次第といったところがあります。
ネットからでもページの中身を確認することができますので、確認をして分かりやすいと感じるのであれば購入するのもいいでしょう。
・税理士 簿記論 個別問題の解き方、総合問題の解き方
・「学校で講師が教えることが記載されている」市販では類を見ない教材です。
・いきなり簿記論の本格的な問題集をすすめるのはちょっと・・という方にもおすすめですし、問題の解き方のレベルを数段引き上げてくれるので点数がいまいち伸びないといった方には特におすすめです。
解説もかなり詳しく丁寧なのでつまづくことはないでしょうし、日商1級と同等の力がある人なら簿記レベルを上げながらさくさく進めることができるでしょう。
総合問題は苦手・解けないという方がいらっしゃいますが、それにはいくつか理由があります。
・総合問題と独特の解き方を知らない、あるいはマスターできていない
・個別問題の解き方が身についていない
この「解き方シリーズ」は個別、総合の2冊で構成されているので、上記2点の部分を学ぶ事ができます。
この問題のポイントはどこなのか?どこを抑えるべきなのか?
どのように考えたらいいのか?そしてどのように解答していけばいいのか?
①本問のポイント
②思考過程
③解答手順(下書きの書き方、チェックの付け方)
本書で学習する事で上記3点が分かるようになります。
また、問題ごとに目標時間が記載されています。
独学の場合、どのくらいの時間で解けばいいのか?どのくらいの速度なら本試験でも通用するのか分かりづらいものがあります。
しかし、専門学校を利用していると講師が問題ごとに目標時間を教えてくれます。
学校に行ってる人と独学の違いは目には見えませんが、「時間の意識」は大きな差といってもいいかもしれません。
この書籍を利用する事で時間を常に意識しながら問題の解き方を学ぶ事ができ、これらをマスターしていると簿記論の本格的な問題集にスムーズに移行することができます。
この2冊で解法を身につけるとともに、目標時間内で解けるように繰り返し演習することをおすすめします。
2冊で5,000円程度ですが、金額の何倍もあなたの力を引き上げてくれるでしょう。
b 簿記2級から簿記論に挑戦
日商簿記2級修了者
※日商簿記2級合格者、商業簿記で合格点が取れていた人、学習済の人
<日商簿記2級から簿記論で不足する事項>
・知識面で不足する部分が多いのでテキストを使ってインプットをする必要があります。
「簿記2級等から簿記論」おすすめのテキスト
(考え方)
日商1級用で分かりやすいネットスクールの教材を使うのも1つの手ですが、簿記論特有の論点を学ぶ事ができないのであまり得策ではありません。
簿記論ではここがこう出題されるなどといったことを学んだ方がモチベーションの面からもいいでしょう。
そこで、簿記2級レベルから簿記論を学ぶ事ができるテキストがありますのでそちらを紹介します。
簿記2級レベルにおすすめなのは・・
・みんなが欲しかった! 税理士 簿記論の教科書&問題集 (1) 損益会計編
・みんなが欲しかった! 税理士 簿記論の教科書&問題集 (2) 資産会計編
・みんなが欲しかった! 税理士 簿記論の教科書&問題集 (3) 資産・負債・純資産会計編
・みんなが欲しかった! 税理士 簿記論の教科書&問題集 (4) 構造論点・その他編
前半はテキスト、後半は問題集のテキスト・問題集の一体型となっており、全部で4冊になります。
※2級修了者または同等レベルの方が簿記論の勉強に使う教材となっています。
最初に学ぶ項目の勉強時間の目安が書かれてあるのが特徴的でこれはかなり使えます。
勉強をする際、この項目ってどのくらいの勉強が必要なのかわかりません。
ゴールが見えないと集中力が下がってしまいますし、理解力も落ちてしまったり、最悪やる気がなくなって勉強を中断してしまうなんていうことも・・。
しかし、本書はこの項目は1時間、こっちの項目は4時間といったようなことが項目の冒頭に図(グラフ)を使って書かれてあります。
1時間で終わるなら集中して一気に終わらせよう、4時間かかるなら腰を落としてじっくりやろうといったように勉強の強弱がつけられるので勉強が非常にしやすいといった長所があります。
文字だけでは分かりづらいので実際のグラフを見てみましょう。
上記画像ですと、チャプター2の勉強時間の目安は5時間という事が分かりますが、チャプター1~チャプター9までの勉強時間もグラフになっているのでこの項目全体の勉強時間も分かるようになっています。
また、本書自体はイラストや吹き出しがたくさんあるので、分かりづらい箇所であっても吹き出しによる砕けた言葉やイメージができるので理解しやすく読み進めることができます。
この4冊が終わったらaで紹介している「解き方シリーズ」に進むのがおすすめです。
実践演習や過去問など早く先に進めたい気持ちも分かりますが、力をためる意味でも「説き方シリーズ」にすすみましょう。(これは市販ではまれにみる超良書です。)
最後はcの紹介です。
c 簿記3級または簿記がはじめてから簿記論に挑戦
簿記が全くの初心者や3級レベルの人が対象です。
「簿記初心者や簿記3級レベルの人から簿記論」おすすめのテキスト
・税理士試験必修教科書 簿記論・財務諸表論I
初学者でもいきなり簿記論を学ぶ事ができるテキストで、ネットスクール出版のものです。
こちらは簿記論と財務諸表論の2科目両方に対応したものとなっています。
テキストは基礎→基礎完成→応用の3冊で、テキストに準ずる問題集がそれぞれ3冊あるので全部で6冊です。
ネットスクールの教材なので初学者であっても分かりやすく書かれてありますが、日商簿記のとおるシリーズのテキストがあまりに分かりやすいというのもありますが、それと比べると分かりやすさは劣るかなと思います。
ただ、分かりやすく書かれてあることには変わりはありませんので、気になる方はページの中身を確認してみるといいでしょう。
ページの中を確認する
ネットからページの中身を見ることができます。
アマゾンだと「試し読み」、ネットスクールのサイトだと「立ち読み」で見る事ができます。
アマゾンで該当書籍のページを開いたら上記画像のように「試し読み」という文字が出ているものはネットからかなりのページ数の中身を見ることができます。
中身検索ができるものは良書が多い特徴があります。
上記のテキストが分かりやすいという方は使用してもいいですが、他の方法を紹介します。
別の方法
現在の対象者は簿記3級レベルまたは簿記初心者ですので、簿記2級レベルまで引き上げます。そして、2級レベルになったらbの方法を使います。
簿記初心者
↓
3級レベル
↓
2級レベル
↓
bパターンの「みんなが欲しかった教科書」4冊
↓
aパターンの「解き方シリーズ」2冊
このように進めるのがもっともおすすめです。
というのも、この方法は基礎をじっくり学ぶ事ができる上にテキストは非常に分かりやすいものばかりを利用しているので挫折をする心配がありません。
簿記初心者が2級レベルに上げる方法
とおるテキスト簿記3級
一般価格3,672円→会員価格3,121円
簿記3級レベルに引き上げるといっても過去問をする必要はありません。
簿記初学者から簿記3級レベルに上げる事ができたら次は簿記2級レベルに引き上げます。
その際おすすめのテキストは下記のとおりです。
とおるシリーズ簿記2級
簿記2級の場合、テキスト商業簿記1冊、工業簿記1冊、問題集商業簿記1冊、工業簿記1冊
このようになっていますが、簿記論を勉強する場合工業簿記の勉強は不要です
そのためテキスト商業簿記、問題集の2冊となります。
3級同様に2級レベルに引き上げるために過去問をする必要はありません、
初学者が簿記2級レベルに引き上げるためには・・
・3級のテキスト1冊、問題集1冊
・2級のテキスト1冊、問題集1冊
以上4冊で足ります。
4冊もあって大変かと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、1日2時間の勉強ですと1ヶ月程度4冊全て終わらす事が可能です。
量は多く見えますが、解説がかなり詳しいのでさくさく進めることができます。
まとめ
以上、税理士試験簿記論に独学で合格するためのおすすめのテキストを紹介しました。
a 1級レベルなら「解き方シリーズ」2冊を使えば本格的問題集に移行することができます。
b 2級レベルなら「みんなが欲しかった教科書」4冊を使い、「解き方シリーズ」2冊を使うといいでしょう。
c 3級レベルや簿記初学者の場合は、とおるテキストを使って簿記2級レベルまで引き上げ、2級レベルになったらbのパターンになります。
3級レベルの人は簿記2級のテキスト・問題集2冊
簿記初学者の人は簿記3級のテキスト・問題集2冊、2級のテキスト・問題集2冊
簿記論は簿記1級よりも難しい問題を解くのではなく、問題量が簿記1級の何倍もあるので、どの問題を解いていくのかを瞬時に判断し手が勝手に動くように訓練が必要です。
ある程度のレベルまでいくと難しい問題を解く苦労はないものの、速度を上げる難しさがあるので、ここで紹介した「解き方シリーズ」を使って個別問題、総合問題を早く解く方法を身につけます。
・次は簿記論におすすめの問題集、過去問、模試を紹介します。
⇒【簿記論】おすすめの問題集と過去問
・簿記論の勉強時間が気になる方はこちら
⇒【税理士簿記論】勉強時間はどのくらい?
・簿財同時合格したい方はこちら、テキストとスケジュールを紹介
⇒【簿財同時合格?】専念~社会人 独学におすすめのテキスト
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専門学校を利用してみたい方は下記を参考にしてください。
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