司法書士

【司法書士 合格体験記】伊藤塾→LEC 『真』の体験談

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①司法書士の合格体験記が読みたい

②誇大広告ともいえるような多くの受験生が無理なような合格体験記ではなく、本当の合格体験談が聞きたい

このような悩み・疑問をお持ちの方にお答えします。

下記の司法書士合格体験記は合格者に書いていただき修正等一切加えていない内容となっています。

・webサイトにある合格体験記
・学校のパンフレットの合格体験記

これらはごくごく一部のものがなしえる合格談であり多くの合格者を代表しているとはいいがたいものがあります。
また、学校に有利になるようにいい所だけを切り取ったり、嘘ではないけど誘導をしているところがもしかするとあるかもしれません。

本当の合格体験記とはなにか?どのように勉強をしたのか?どのような苦労があったのか?
それらがぎっしり詰まった記事となっていますのでじっくり読んでいただきたいと思います。

 

 

司法書士 合格体験記

この度は司法書士合格者の方に記事を依頼し書いていただきました。

当初は記事の一部を追記・修正するかもしれませんと依頼をしましたが当面はそのまま公開致します。
修正は致しませんが、後日運営者によるコメントを入れたり、太字、赤色、マーカー、囲み等をいれる予定となっています。
現在は全く素の状態ですので画像等も一切ない状態となっています。

これから司法書士を勉強しようという方は楽しみつつも受験生になったつもりで読んでいただき、今勉強中の方や不合格になった方は勉強法の参考やモチベーションを上げることができるかもしれません。

10,000文字ありますので楽しんで読んでいただけたらと思います。

 

 

1.司法書士試験を受験した動機

『年の離れた弟と、楽しくお酒を飲みたかったから』

これが、私が司法書士試験を受験しようと思った動機です。

「困っている人を助けたい」とか「憧れ」だとか、まして「社会貢献がしたい」というような立派な理由は全くありませんでした。

 

まず、司法書士という仕事を知ったのは、ハローワークに置いてあった本からです。

当時契約社員でしたので、なにかしらの正社員の仕事を探しているところでした。

つまり、助けたいどころか自分が職に困っていましたし、憧れどころか司法書士を知らなかったですし、社会貢献も何も、税金の恩恵で仕事探しの真最中でしたから、立派な理由など無くて当然です。

その仕事探しの待ち時間で資格の本を手に取った私は、司法書士という職業を知りました。

 

ちょうどその頃、弟が法学部に入学したこともあり、法律系のページに自然と目が行ったのでしょうね。

そして司法書士について大まかに知ったことは「合格率3%(※近年では4~5%ほどで推移)の難関資格」「不動産が取引される際に必要な仕事」「会社の法務としても必要」「個人の相続にも必要」「単価が高い」といったことでした。

 

そこで私は思いました。

「人口ピラミッド的に、今後なくならない仕事だろう」「高単価か」「せっかくだから難しい資格を取ろう」。

そしてなにより思ったのが、

「弟とお酒が飲めるようになったときに共通の話題ができたらいいな」

ということ。

私が大学に進学のために実家を離れたとき、弟はまだ小学生でしたので、勉強を見てあげたり、送り迎えをしたりという、兄らしいことが出来ておらず、なにか弟との接点を作りたかったのです。

 

こうして初めて司法書士を知った私はさっそく弟に電話し「司法書士って知ってる?取ろうと思うんだけど」と話をしたことが、修羅の道への入り口となったのでした。

 

 

2.受講した予備校のコースについて

【1年目】

私が受講したのは『伊藤塾 司法書士入門講座 本科生 インターネットクラス』です。

(2021年現在は、春夏コースという記載がされています。)

 

予備校が用意するものとしては時間も金額も大きい、いわゆるフルコースの講座ですね。択一および記述の答練、模試もセットでした。

量としては、おおよそ1日おきに週で3日ほど(×3時間=週に9時間ほど)のペースで講義が配信され、4月から翌年の3月までの約1年間続きます。

(本校で実際行われた講義が、1日遅れで配信されます。)

 

試験について調べていく中で、独学では全く間に合わないだろうと悟っていた私は、遅れながらこの講座を9月に開始し、受験に臨みました。結果は、4の記事で詳しく書いております。

 

 

3.伊藤塾を選んだ理由

伊藤塾を選んだ理由は、初めて買った入門書が伊藤塾のものだったことや、弟(法学部)からも勧められて紹介割が使えましたので、そういった安易な考えからでした。

塾長の伊藤誠先生がとても有名な方だと知ったのは、そのだいぶ後です。

話は逸れますが、合格後に祝賀会に参加させて頂いた際、猛ダッシュして1番目に伊藤先生と写真を撮らせて頂いたのは良い思い出です。

 

講座の担当講師には、高城先生を選びました。(現在は退職されています。)

いろんな講師の方のサンプル動画を見た中から、雰囲気で選びました。私にとっては一番聞きやすく、かつ情熱的で、ついて行こうと思えたのが高城先生でした。

ご退職された講師の方を推してもしょうがないですが、言えることは『講師選びは印象でいい』ということです。

嫌いだったら勉強が続かないからです。

ただし、崇拝はダメですね。合格という目的から逸れてしまいますので。

 

そして、どれだけ質を上げようが、とにかく量が必要な試験ですので、学習を継続できる環境を育てることが重要です。

 

 

4.合格までの月別等の流れ・勉強法等

【1年目】

9月から本科生講座を開始し、翌年5月に仕事を辞め7月に初受験。

 

【勉強時間】

(9月~4月)1日3~4時間。

(5月~6月)1日8~9時間

週に1日か2日休みあり。

 

【流れ】

本来4月からの講座を、9月から開始して追いつく必要があったため、とにかく講座を進めました。

 

講義のあとは、チェックテストが用意されていましたので、それを行ってはいたのですが、復習の時間があまりとれなかったです。

勉強を進める間にも新しい動画は配信されますから。

 

【1年目の勉強方法】

初学者でしたので、勉強方法というほど立派なものはなかったです。

ありがちですが、重要だと思うところに色分けもせずマーカーを引いていましたので、オレンジ色に一面染まっており、何が重要かわからない状態でした。

他には、アインシュタインの言葉だそうですが『6歳児に説明できなければ、理解したとは言えない』と、聞いたことがあったので、『説明する』という方法は使っていました。

これは良かったです。

 

最初は、全く型ができていなかったと思いますが、少しずつ積み重ねることができたと思います。

そして、翌年の4月ごろにやっとコースに追いつくことができました。

 

なお過去問については、まだ手をつけていなかった、というより本講座の答練が全てでしたから、これをやり切ろうという選択肢しかなかったです。

過去問という単語すら、このときはピンと来てなかったと思います。

 

付属の答練は、各20~30問ぐらいの構成で、それぞれの法律ごとに、頻出の論点が収録されていました。

しかし、難しい知識については、おそらく初学者に覚えさせても点数効率が悪いという意図で、厳選されていたと思います。(予備校のやるべきこととしては正解だと思います。)

 

私が市販の過去問集を購入して勉強を始めたのは、2年目以降になりますので、後述していきます。

 

試験の結果は、不合格でしたが『全くの法律未経験者から、働きながら(試験前に退職しましたが)、10か月で午前午後20問ぐらいずつ正解できた。』というのが私の1年目の結果です。

 

 

5.このコースの良かった点・悪かった点

【伊藤塾の本科生コースの良かった点】

インターネット講義でしたので、ストリーミングで何度も見返せる点です。聞き取りやすかったので、音声での学習にも役立ちました。

最近だと当たり前ですが、パソコンでもスマホでも再生できたことも良かったです。

動画プレイヤーの使い勝手も良かったですし、通信関係で困ったことはないです。

 

マイページにログインすると、前回ログインの日時がわかりますし、塾から毎日違ったコメントが掲載されますので、モチベーションの維持にもなります。

デザインも良く、迷うことはまず無かったです。

 

スタッフの電話対応もとても良くて、手続きに困ることはありませんでした。

 

テキストや答練の冊子は、26穴式になっていて、バラしやすく自分用に整理してファイリングしやすかったです。

ただ、近年の模試の解説書は綴じられている冊子タイプでしたので、ものによるかもしれません。

 

【伊藤塾の本科生コースの悪かった点】

ほとんど思い当たりません。たまに先生が噛んでいたぐらい?でしょうか。

このコースに限ったことではないですが、特定の予備校に依存しがちになるのは、あまり良くないと思います。

他社に良い講座や参考書があっても、自分で調べなければ知るタイミングが無いですから。

しかし初心者ですと何が良いのかなんてわからないので、自分で教材を判断できるようになるまでは、その講座を信じて進むべきだと思いますし。そのあたりは良し悪しですね。

 

 

6、合格までの大まかな流れ

【2年目】~【4年目】

勉強時間は1日1~3時間ほど、直前期は5~8時間ほどを継続。

 

【使用した教材】

・伊藤塾 過去問セレクション 

・オートマ 一問一答シリーズ

・各種 模試

 

過去問、オートマは、法律ごとに苦手だった方から順に揃えました。

 

【伊藤塾 過去問セレクション】

分量や見やすさも良くて、解説も親切です。2019年から2020年にかけてパッケージが新しくなり、それに伴ってさらに解説が詳しくなった印象です。

科目ごとの他に、数年ごとの過去問集が発行されており、欲しい部分を買い足しやすいです。です。

解説部分については、自分で書き足して勉強したかったので、もう少しだけ広いスペースが欲しかったです。

記述の問題部分は、拡大コピーして使いたい方も多いと思いますので、そういった用途で別冊になっていたら、なお嬉しいと思いました。

 

なお過去問は不要だという意見を稀に見かけますが、私は基本的にやるべきだと考えています。

独学が前提の方も、試験の難易度感が分かりますし、自分の成長も記録しやすく、自信にもつながりますから。

 

司法書士試験では『過去問だけで6割正解できる』と言われています。

実際に、それを毎年集計して発表している講師の方もいらっしゃいます。

不要なのは、よほど法律の勉強方法がしっかり確立されている方くらいかと思います。

 

【オートマ 一問一答シリーズ】

いわずもがな山本先生の超有名シリーズです。

難易度としては、やや易しめです。

当たり前ですが正誤を覚えて完結ではなく、自分で解説できるまで勉強するのがいいと思います。

そういった、読者に自習させる意図があってなのか分かりませんが、解説がやや物足りなく感じるかもしれません。

「そのような規定はナイ。」という一文で終わることも、ままありますね。

 

利用方法としては、ルーズリーフが1枚あれば、メモしながらガンガン問題を読み進めて、間違えた個所をピックアップしやすいので、初学者の方にも、勉強に慣れてきた方も使いやすいと思います。

速読即解の練習もやりやすいです。

 

オートマは好き嫌いが分かれると思いますが、それでもお勧めできる理由としては『とにかく使っている人が多い』、これに限ります。

司法書士試験は相対試験なので、みんなが正解するところを確実に正解しないと致命傷になりかねないです。

 

そのため、使っている人が多い教材や講座は、それだけで正義になります。

 

【勉強方法の変化】

『理解と暗記について』

1年目から2年目にかけて、勉強方法は特に大きな変更はありませんでしたが、より詳しく『理解』を追い求めるようになりました。

暗記と理解のバランスって大事だと思うのですが、私は暗記が苦手でしたので、ひとつひとつを理解し説明できるようになるまで、問題集やテキスト、条文を繰り返しました。

理解によって得た知識は忘れにくい、というか理解しているのだから忘れるも何も無いので、おかげで少しずつですが点数は順調に伸びました。

 

択一の基準点を一度突破してからは、択一落ちは無かったです

ただ、理解だけに頼ると相当時間がかかりますので、短期合格を目指すなら単純暗記もかなり必要になると思います。

 

『マーカーをやめて鉛筆にした』

マーカーを引くことは、やめました。マーカーだらけになったからです。その代わりに、メモは鉛筆で行うようになりました。

繰り返し解いていると、同じ問題でも、違った部分に注目することがあるため、鉛筆書きで書き足していく方法は、見やすくて有効だったと思います。

マーカーを色分けして使いこなす方もいらっしゃいますし、いろんな方法を試すといいと思います。

 

『エクセルシートを利用』

「理解していない部分をリスト化して潰していこう」という考えから、エクセルを利用してみました。

本だと、書きこんでも付箋を貼っても、それを探すことに時間がかかっていたため、エクセルに記録して単語から検索できるようにしておこう、という作戦です。

 

これもまあまあ良かったですが、問題集ごともしくは法律ごとにシートを分けてしまうため、検索したいワードが思うように引っかからない、ということもありました。

タイピングに支障がなければ、データ整理と時短に役立つかと思います。

学習が進むにつれて、見返す機会が減っていきましたので、最終的にメモ程度になりました。

 

【5年目】

専業を決意し実家に帰省したのですが、まあまあ働いていたので、あまり勉強時間は変わらなかったです。

試験における自分の弱点はわかっているつもりだったので、特に教材は買い足さず、勉強方法も特に変えずにすすめましたが、記述の対策不足で不合格でした。

 

【6年目】

今年で最後にすると決意し、3月から真の専業受験生として勉強を開始。毎日図書館へ通いました。

最初は2時間から。日に日に少しずつ勉強時間を増やしていき、3月末には7,8時間できるように。

4月~6月は、1日8時間以上。週に1日は予備の日(休み)を入れながら。

机に向かえないときは運動しながら、お風呂に入りながらでも勉強でした。

 

意外と少ない、と思われそうですが、前述した通り、これまで暗記に頼らない学習をしておりましたので、他の受験生と比べて『忘れる』ことがだいぶ少なかったと思っています。

 

3月の勉強開始のときで、苦手科目でも正答率88%あったほどです。

 

この年は、前年の反省を生かし、予備校を使って記述の弱点をしっかり補おうと考えました。

使用した講座は以下の通りです。ほぼ記述ですね。

 

・伊藤塾 記述 中上級実践力養成答練

・LEC 脱枠ズレ!枠ずれ論点を制覇する講座

・LEC 記述式問題20問を解いて論点を網羅する講座

・伊藤塾、LEC、模試

 

【伊藤塾 記述 中上級実践力養成答練】

この年の答練は、本試験レベルより難しかったです。分量が鬼レベルで、時間が足りなかったです。不動産登記、商業登記各6回(×2問ずつ)。ですので、合計で24問。

第1回の不動産登記は10点も取れず、リハビリには重すぎました。

 

6年目にもなると、本試験と講座の難易度のズレを見定めることができていたと思いますが、初学者がこれを受講していたら折れるのでは?と思ったほどです。

伊藤塾の問題は全体的に易しめと言われることが多いため、あえて今回は難易度を上げたのかな?と思いました。考えすぎかもしれませんが。

答練の難易度は年度でまあまあ違いますし、予備校は次の試験に合わせた問題を作りますから、そのあたりは気にしても仕方ないですね。

 

【LEC 脱枠ズレ!枠ずれ論点を制覇する講座】

約60問にわたって、不動産登記の枠ズレしやすい論点を文字通り制覇していこうという、枠ズレ対策専門の講座です。

『枠ズレ』というのは受験生にとって一番の恐怖ワードかと思います。私もそうでした。

「枠ズレ」を簡単に説明すると、例えば第2欄に書くべきことを第1欄に書いてしまい、それ以降の解答欄が全てずれて全く点数が入らない、というミスのことです。

つまりおおよそ致命傷になります。

 

このミスだけはやりたくなかったですので、これ用の講座を受講しました。

ここまで対策して試験で間違えたらもうしょうがないなという気持ちでした。

 

結果、講座の内容から本試験にも出題されまして、無事正解することができました。

 

【LEC 記述式問題20問を解いて論点を網羅する講座】

論点を『網羅する』という言葉に魅かれ、「みんなが正解するところでミスをしたくない」と思い、この講座を受講しました。

結果、その年の私にとってはもう不要な内容でした。

安心感と自信にはなりましたが。

 

タイトル通り、基本が一通り組み込まれていて、値段もさほど高くなく、かなり初学者向けの内容で構成されていたと思います。

1年目2年目にこれをやりたかったですね。

 

【伊藤塾、LEC 模試】

最後は模試です。

勉強中の方には有名だと思いますが、伊藤塾の模試は非常に安価で、有用です。

この年はさらに値下げされていて、かつ全国の各会場で模試を開催するわけなので、元が取れているのか心配になるレベルです。

この年の模試の難易度は、伊藤塾がほぼ本試験レベル、LECがやや易しいという評価だったようで、実際の私の点数もそういった結果になり、最終的には伊藤塾の模試で取れた点数に近い数字で合格しました。

 

模試の使い方として、テーマを決めて取り掛かりました。

本試験を想定し『受験会場にギリギリで入る』『体調不良のときに受験する』『徹夜明けで受験する』など、いろいろ試した結果、いくつか自分の悪いパターンが見つかったので、非常に有用だったと思います。

模試は会場受験か、もしくは在宅で受験できるのですが、私が模試を会場で受験したのは、実はこの年が初めてだったのですよね。

 

落ち続けた5年間は、まだまだ本気で取り組んではいなかったと気づき、少しだけ、これまでの受験生活を後悔したのを覚えています。

模試は毎年多数の受験生が利用しますので、他の受験生がわかるところを確実に取るという意味で、できればいくつか取得したほうがいいと思います。

 

 

8.合格した要因と反省点

合格した要因は、一言で言うと、合格できるだけの力がついたからです。

それは単に知識を得たという意味だけではありません。

 

あまり上手くない例えかもしれませんが、心技体という言葉をお借りすると、「心」は試験までに積み上げた自信だったり、今年で最後にするという覚悟だったりします。

「技」は、知識とは別の「対策」の部分です。例えば速読だったり、速く書くことだったり、問題をチェックする方法、ミスを減らすメモの仕方など、おおよそ法律の知識とは別の、試験用のテクニックと言っていいと思います。

体は、文字通り体力です。机に座り続けるのも体力が必要ですし、脳の活性化や良い睡眠のためにも適度の運動は必要です。それが勉強の継続にもつながりますので、積み上げた知識は、それそのものが体力と言えると思います。

 

最後は無理やりですが、合格できるだけの力が揃えば、合格できます。

最終的には、しっかり合格から逆算して計画を作り、実行できたからこそ、その作ったレールに沿って合格できたと思います。

反省点は、それをもっと早く全力でやっておけば良かった、ということです。

 

 

9.これから受講する方へのメッセージ

私は講師ではありませんので、話半分に、参考程度に読んでみてください。

まず、この記事は、過去の自分へ、特に2,3年目で足踏みしている自分へ向けるつもりで書かせて頂きました。そのため厳しい言い方になる部分もありますがご容赦ください。

司法書士の勉強は、とにかく量が多いです。量です。量が多いです。とにかく。

思っている量より、2~3倍か、5倍はあると思ってください。でもそれを覚悟し、合格から逆算してしっかり計画し、修正し、戦略を立てれば、充分に合格できる試験です。

 

勉強の内容は、主に法律を理解することですので、三段論法ができる人なら、ひとつひとつ意味を理解していくことはできますよね。

それを積み重ねることができれば、いつかは合格レベルに積み上がります。

(それが多いのですが。)

『ひとつずつは理解できるのだから、あとは量』です。

そして後述しますが、量を稼ぐには習慣です。

 

【批判に対して】

新しく勉強を始めようとすると、または勉強を続けていると「あなたなんて合格できない」などと言ってくる人も現れると思います。

もしかしたら、もう言われたかもしれません。

めちゃくちゃ悔しくて見返したい気持ちになると思います。

 

実はその時が勉強のチャンスです!

悔しいという感情は記憶に残りやすいので、その瞬間に勉強をすると、覚えやすいです。

ですので、言ってくれた人には感謝です。

「あいつから酷いこと言われたときに悔しくて、ここを覚えたんだよな」って、忘れられない記憶になって、後から笑えます。

というか批判を気にすることで合格できるのなら、ずっと気にしていればいいのですが。そうじゃないですよね。

 

【習慣化、覚悟について】

大事なのは勉強を習慣にする。生活に馴染ませることです。例えば、

「どうせそんなに歯を磨いても、あなたなんか虫歯になるでしょ」

と言われて歯磨きを止める人はいないですよね?

 

それと一緒で、勉強が生活習慣になっていたら、「合格できないでしょ」などと言われても、手を止める必要が無いことがわかると思います。

そして『合格のためにできることを全てやる』という覚悟をもって臨めば、合格は近いです。

私の場合、かなり実績と知識を積み重ねてからでないとその覚悟はできませんでした。

もちろん、人によって、環境によって、できることは違います。

 

仕事しながら、専業の受験生に勝つのはなかなか難しいです。

ただ、ひとつ朗報をお伝えすると、私が同期の方とお話した中では、専業受験生なんて一握りで、働きながら合格した人の方が圧倒的に多かったです。

仕事しながらでも、自分にできることをやっていけば、やっていない人からは勝てます。その積み上げで差が出ます。伊藤塾の山村先生も、同様のことを良く仰っていました。

 

私が合格した年の本試験においては、試験当日のスケジュールを分単位で計画したり、糖分や、苦みなどを考慮しつつ、食事や飲み物も事前に試して決めておいたりしました。

メンタルが弱かったので、模試で点数を取っておくことで自信にしたり(それまでに頑張りました)、わざと体調不良や寝不足の状態で模試を受けたりもしましたし、万が一のケガに備えて左手で書く練習をしたり、人差し指と中指で書く練習をしたり。

 

これから勉強を始めるかたにこういう話をすると、「そこまで突き詰めなきゃいけないの?」と引いてしまう方も多いと思います。

でも言い方を変えて「あなたは、まさに今、あと一か月頑張れば合格できる状況にいるとします。ここから試験まで『なんでも』やりますか?」と聞くと、不思議なことに『そりゃああと1か月で合格できるならなんでもやりますよ!』と答える方が多いです。

じゃあ最初から何でもやりましょうよ、という話ですよね(笑)。

 

1か月前と言わずに、この『合格のためになんでもやる』が常識になっていることが、短期で合格する人の大きな特徴のひとつだと思います。余計なプライドがなく素直なことも特徴ですね。

 

私は、合格した年だけ、そういった覚悟で臨むことができました。

積み上げたことで合格をリアルに想像できるようになり、ラストスパートの勇気が湧いてきたのですよね。

そうして、『試験会場にたどり着ければ合格できる』と自然と思うようになっていました。それだけの勉強量と実績を事前に積み上げていたから、合格して当然だと。

 

当たり前なのですが、試験に合格するかどうかは、それまでの積み上げでほぼ決まります。

試験だけが本番ではなく、受験勉強は『試験対策の本番』だったのです。最後の年になるまでは、はっきりと気づくことができませんでした。

とはいえ、今すぐそこまでの意識にならなくても、大事なのは日常的に勉強することです。『量をこなすなら習慣化』が本当に大事です。

そして基準点を充分超えるようになってからは、技術的な『試験対策』、や覚悟に力を入れて勝負を賭けてみてください。

 

短期合格を目指す方は、そういった対策も同時進行しなければならないため、ペースメーカーとして、予備校の講師の方から直接指導頂くのが、結局手っ取り早いと思います。

 

【予備校の選び方】

すでに少し触れた内容ですが、予備校の選び方として重要なのは、評判ではなく、自分から見たリアルな印象です。

学習の継続が大事ですので、自分が勉強を続けられると思う講師を選んでみてください。

それと、初学者の方と、そうでない方(2年目以降や、基本独学の方)とでは、講座選択の方法は全く違います。

 

『マネキン買い』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

お店のマネキンに飾られているセットをそのまま買って着ると、本人のセンスに関係なく着こなせる(ように見える)という意味です。

全てを予備校に任せることは、このマネキン買いのようなものです。

 

初学者の方は、自分に何が足りないか自分では分かりませんし、むしろ全て足りてないので、気に入った予備校の通年コースに素直に従うのが良いと思います。

ただ、それでも 『自分が予備校を使っている』という主体的な意識を忘れないでください。

任せているだけでは合格できませんから。

そして、残念ながら不合格だった場合、足りない部分が自分でわかってきていると思います。

それを補うために講座を選んで使うのが、2年目以降の正しい使い方になります。

 

独学が前提の場合も同様に、予備校の調査をやるだけやっておいて、必要な分を選べるようにしておくといいでしょう。

 

【まとめ】

習慣化できれば、勉強が進みます。

勉強が進むと、足りない部分が見えてきます。

足りない部分が見えると、合格への距離が測れてきます。

合格への距離がわかれば、覚悟し、最終計画を立てることができます。

計画を立てれば、実行するだけです。

 

私の経験が、少しでも人のためになれば幸いです。最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 



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