①建設業経理士1級試験に合格するための合格体験記が読みたい。
②建設業経理士1級受験生は合格までに教材をどのように活用して勉強をしたのか知りたい。
このような悩み・疑問をお持ちの方にお答えします。
下記にて建設業経理士1級試験に合格した方に記事を依頼して書いていただきました。
情報が少ない資格試験だからこそ勉強方法を知っておくと試験では有利に働きますので、合格者の勉強方法等はこれから受験される方の参考になるかもしれませんので是非読んでみてください。
この度はぴちさんに行政書士試験合格体験記を書いていただきました。
目次
建設業経理士1級 合格体験記
建設業経理士1級を受験しようと思ったきっかけ(動機)
私が建設業経理士の資格を目指して勉強し始めたのは、就職して経理部門に配属されてからでした。私の会社は一般的な事業だけでなく、一部の部門で建設業も営んでおり、建設業許可も受けていました。
決算書についても株主総会に報告する一般的な決算書のほかに、都道府県に提出するための建設業決算報告書の作成も必要となります。
しかし、私の会社では建設業を営んでいるにも関わらす、社内で建設業経理士の資格を取得している人は一人もいませんでした。先輩から仕事を引き継いだときも過去から代々受け継がれている手順書を見ながら、意味もわからずとりあえずやっている状況でした。
なぜ、その作業をするのか先輩に聞いてみても、先輩もよくわからない様子であいまいな回答しか返ってこないということがよくありました。
私は就職する前から簿記については少し勉強していたので、建設業の決算報告書もそれほど苦労せずに作れるだろうと高をくくっていました。
しかし、手順書どおりにやっていればとりあえず結果は出せるのですが、「何か変化があったときに対応できないのではないか」、「手順書に書かれていないことが出てきたらどうしよう」という不安も少しありました。
そんな時、偶然、建設業経理士の資格を取得すると会社から合格祝い金が支給されるということを知り、これは取得するしかないと思ったのが、勉強のきっかけでした。
周囲に、建設業経理士の勉強を経験した人がいなかったので、とりあえず、独学で頑張ってみることにしました。
建設業経理士1級の勉強方法と使用した教材とは?
テキストは、本屋に行って、とにかくわかりやすそうで、楽しく勉強できそうなものを探し、結果としてTAC出版のテキスト&トレーニングと過去問題集を購入しました。
他のテキストと比較をしていないので、どのテキストが一番良いかというのは一概には言えないのですが、自分が勉強しやすそうと思ったものであれば基本的に何でも大丈夫だと思います。
なぜなら、私の経験上、建設業経理士の試験については過去問題にあたっておけば十分だと思いますし、過去問題についてはどの参考書であっても解説の内容に若干違いがある程度で、ほとんど差がないからです。
勉強内容には財務分析のように決算報告書作成の実務とは直接、関係しないものも含まれています。簿記の試験では全く出てこなかった内容だったので、私が勉強したときには最も苦手でとっつきにくいと感じたところでした。
しかし、この財務分析の勉強も無駄になることはありません。経理の経験をある程度、積んで上のレベルに上がっていくと、必ず自社や同業他社等の決算書を分析する場面がやってきます。
それは建設業に限ったことではなく、一般の事業を営む会社でも同じですので、これを機会に一度学んでおくのは良い経験となると思います。
建設業経理士の試験勉強は、簿記の資格を持っている方であれば、新しい勘定科目に慣れてしまえばそれほど難しいものではないと思います。逆に、簿記の知識がない中でいきなり建設業経理士の資格を取得する場合には、必要に応じて簿記の勉強もした方が理解も深まると思います。
建設業経理士は実務でどのように役に立つのか?
最後になりますが、建設業経理士の資格を取得すると、実務上、どのように役立つかについて、少しだけ書かせていただきます。
実際の実務では、当然、資格試験よりも勘定科目が細かく分かれていたり、また、建設業以外の事業も兼業している場合には、共通の経費をどのように按分するかなど実務ならではの細かい論点がいろいろとでてきます。
資格の勉強では出てこなかったような内容の問題が多々でてきますが、建設業経理士の資格の勉強をしたことで、決算報告書の作成方法について概要を把握していることが必ず役に立ちます。
また、資格勉強の過程で建設業の決算報告書の作成方法だけでなく、一連の流れについても把握できているので、他の人にも流れの説明ができるようになっているはずです。
経理の仕事は特殊な世界なので、他人に内容を説明できるというのはとても大事なことです。特に、役職が上の方が交替して新しい方が着任した場合には、建設業の決算報告書とはそもそもどのようなものなのかだとか、なぜ都道府県に提出しなければならないのか等、興味をもつ方も多いように感じます。
そのような時に、建設業経理士の資格をもっていれば、自信をもって答えることができます。
さらに、先に述べた財務比率の知識を活用すれば、かなり経営者に近いレベルで会社の状況を分析することができるようになっているはずです。つまり、決算報告書を作成する側の視点だけでなく、使う側の視点も身につけることができるようになっているということです。
そういう意味では、建設業経理士の勉強が簿記の勉強と異なるところは決算書の作成にとどまらす、ここから利益を増やすためにはどうするべきなのかを分析するツールも身につけられる点にあると思います。
このように、簿記からのステップアップにはとてもよい資格であると思いますので、資格を目指されている方には是非、頑張っていただきたいと思います。