簿記

【メリットが多い建設業経理士】仕事は?受験者や合格率の推移は?

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①建設業経理士を取得するといいといわれたけど、この資格を取るとどんな仕事ができるの?

②受験者数や合格率も知りたいけど、受験資格はどうなってるの?受験全般について教えて。

回答します。

①建設業界には特殊の会計処理があり、建設業経理士は主にその会計を行います。

②受験資格はなく誰でも受験することができます。
また、合格率は2級が40%、1級が20%~30%となっています。

 

それでは以下詳しく見ていきましょう。

 

建設業経理士とは?

建設業経理士はどんな仕事をするの?

建設業の会計処理は特殊なため経営上多くの課題があり、特に中小企業の建設業においては抜本的に改革する必要があったため「建設業経理検定試験」を行うようになりました。

試験は1級から4級まであります。

 

上記の課題を解決するために建設業の法改正が行われました。

国などが行う公共事業において入札制度が設けられており、入札するためには建設業経理士が必要になります。(必要かどうかは規模によるところがあります)

入札の際に建設業経理士は何人いるのか?級は?といったことが審査対象となり、級は2級以上が対象となります。

 

簿記の知識を応用した建設業特有の会計処理によって日次の処理から帳簿作成をします。
また、月末等においては決算処理を行うなど通常の会計処理の建設業版ということになります。

建設業界の会計処理のスペシャリストが建設業経理士です。

 

通常建設業経理士1級取得者は大手建設業(ゼネコン等)に就職します。
もし1級を取得していて中小企業などで就職活動をしていると採用率は高いものになるのは間違いありません。

メモ

Wにおける「監査の受審状況」というのがあり、その場合建設業経理士1級を置いていると2点加算されます。

 

建設業経理士のメリットや将来性

知る人ぞ知る資格ですが、知らない人からすると資格を持っていて意味があるの?と心配な方もいらっしゃるでしょう。

 

建設業経理士のメリット

この資格は前述のとおり就職・転職において建設業界ではかなり優遇される資格です。

取得しておきたいのは入札でも対象となる2級以上ですので、取得する場合は2級以上を目指しましょう。

2級以上を持っているとその会社の「建設業のランク」の加点対象とされるので、企業も2級以上の需要が高いものとなっています。

 

仕事をする際にも建設業経理士が必要で、簿記資格や一般企業の経理経験があっても建設業界の会計処理はできない事が多いので建設業経理士は必要とされています。

難易度的には日商1級ほど難しくはなく、建設業界で働く場合は取得にかける労力以上にメリットの方が多くおいしい資格であるともいえます。

 

建設業経理士のデメリット

特殊な会計処理ができる反面、建設業界以外で働く場合はメリットを活かす事は難しいでしょう。

通常の資格は他の分野で幅広く使える事ができるなど資格によって違いますがデメリットは小さくですが、この資格はそういった部分がないためこの辺りはデメリットとなります。

上記のようなデメリットがあることで簿記受験者の10%くらいと少ないですが、それでも年間3万人が受験するので少なくはないかもしれません。

 

 

建設業経理士と宅建

建設業経理士と併せて持っておきたいのが宅地建物取引士(宅建)です。

建設をする場合には不動産の知識は必須であり、不動産の知識なしでは建設をおこなうことはできません。社内に建設業の会計と法律の資格(建設業のダブル資格)を持っている人がいたら重宝されるのは間違いありません。

 

建設業経理試験とは?

 

1級から4級まであり、どの級も受験することができます。
1級を受験するために2級合格といったことは不要で、いきなり1級を受験することができます。

ただし、1級と2級を同時に受験することはできません。

 

1級のみ3科目の科目合格制になっていて、3科目全てに合格しなければ1級建設業経理士になることはできません。

科目合格については有効期限が5年と決まっているので、1科目合格したのなら残り2科目は5年以内に合格する必要があります。合格しなければもう一度受験しなければなりません。

 

建設業経理試験情報

2級は12:00~14:00の2時間

1級は3科目あり、9:30~11:00、12:00~13:30、14:30~16:00

試験の申込期限は書面とインターネットの2種類

試験月は3月と9月

 

建設業経理士の合格率

1級

財務諸表
年月 受験者数 合格者数 合格率
19回 2016年3月 1,672 394 23.6%
20回 2016年9月 1,653 355 21.5%
21回 2017年3月 1,754 650 37.1%
22回 2017年9月 1,584 427 27.0%
23回 2018年3月 1,715 457 26.6%
24回 2018年9月 1,555 434 27.9%
25回 2019年3月 1,612 393 24.4%

1級財務諸表の直近3回の平均合格率は26.3%

 

財務分析
年月 受験者数 合格者数 合格率
19回 2016年3月 1,264 506 40.0%
20回 2016年9月 1,123 260 23.2%
21回 2017年3月 1,268 627 49.4%
22回 2017年9月 1,155 488 42.3%
23回 2018年3月 1,193 312 26.2%
24回 2018年9月 1,243 352 28.3%
25回 201年3月 1,361 362 26.6%

1級財務分析の直近3回の平均合格率は27.0%

 

原価計算
年月 受験者数 合格者数 合格率
19回 2016年3月 1,828 349 19.1%
20回 2016年9月 1,753 375 21.4%
21回 2017年3月 2,050 528 25.8%
22回 2017年9月 1,855 521 27.6%
23回 2018年3月 1,900 471 24.8%
24回 2018年9月 1,692 503 29.7%
25回 2019年3月 1,683 389 23.1%

1級原価計算の直近3回の平均合格率は25.9%

 

2級

年月 受験者数 合格者数 合格率
19回 2016年3月 8,302 3,193 38.5%
20回 2016年9月 8,343 4,241 50.8%
21回 2017年3月 8,196 2,781 33.9%
22回 2017年9月 8,616 3,206 37.2%
23回 2018年3月 8,709 3,895 44.7%
24回 2018年9月 7,844 2,655 33.7%
25回 2019年3月 8,623 2,655 30.8%

2級の直近3回の平均合格率は36.4%

 

3級

3級は3月の年1回のみ実施されます。

年月 受験者数 合格者数 合格率
33回 2014年3月 1,877 1,120 59.7%
34回 2015年3月 1,939 1,210 62.4%
35回 2016年3月 2,228 1,497 67.2%
36回 2017年3月 2,156 1,331 61.7%
37回 2018年3月 2,065 1,315 63.7%
38回 2019年3月 1,896 1,219 64.3%

3級の直近3回の平均合格率は63.2%

 

4級

4級も3級同様に3月の年1回のみ実施されます。

年月 受験者数 合格者数 合格率
33回 2014年3月 207 158 76.3%
34回 2015年3月 242 184 76.0%
35回 2016年3月 232 179 77.2%
36回 2017年3月 260 199 76.5%
37回 2018年3月 192 147 76.6%
38回 2019年3月 163 128 78.5%

4級の直近3回の平均合格率は77.2%

建設業経理試験は年間3万人が受験をし1.1万人が合格(合格率35%)

 

 

建設業経理士 まとめ

以上、建設業経理士の全般の事や合格率等について紹介をしましたがいかがだったでしょうか?

知名度はあまりない資格ですが勉強に費やす労力以上に価値は高いものとなっています。

建設業で働く人はぜひとも取っておきたい資格です。

 

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