①税理士試験を初めて勉強するとき何の科目からやったほうがいい?
②日商簿記1級持っていると、簿記論はどのくらい対応できる?
2級じゃ全然ダメ?
③簿記論と財務諸表論を並行する人が多いけど、並行したほうがいいの?
早速回答します。
①基本的には簿記論からはじめるのがいいでしょう。
②「知識」としては、1級なら90%、2級でもかなり対応できます。
③社会人なら1科目、専念なら2科目が基本ですが、簿記が1級レベルなら2科目でもいいでしょう。
それではもう少し説明をします。
目次
簿記と税理士
①簿記論から始めるべき
専門学校は簿記と簿記論の「知識の学習状況」については共通して下記のようなことが書かれてあります。
簿記3級 20%
簿記2級 50%
簿記1級 90%
上記のように各級によって簿記論の学習済みが分かりますが・・。
しかし、これはあくまで「知識レベル」であるという点に注意が必要になります。
簿記1級を持っていると簿記論はすぐ受かりそうに感じてしまいますが、ここから合格レベルまで上げるのは楽ではありません。
もちろん努力を惜しまなければ、6ヶ月くらいで合格することはできるでしょう。
簿記1級と簿記論
簿記1級は考えて問題を解くタイプになりますが、簿記論は速度重視の試験なので試験傾向が違います。
そのため徹底的に速度を上げる環境作りができるかどうかが重要で、それが出来る人は早く合格することができます。
簿記の資格を持っているとどのくらい対応できるの?
90%対応できるよなどといっても分かりづらいので、ここは分かりやすい表を見ていただきましょう。
LECのサイトは分かりやすくこれらをまとめています。
「日商簿記」と税理士試験「簿記論」「財務諸表論」との関連項目
◎・・・ 知識は十分。後は問題演習をして出題傾向に対応できるようにすれば良い項目です。 ○・・・ 基本的な知識は大丈夫。あとはもっと深い論点を講義で学習する項目です。 ×・・・ 未学習、または導入レベルの知識にとどまっている項目です。
簿記論&財務諸表論(計算) 学習テーマ 日商簿記 3級 2級 1級 簿記一巡の手続 ○ ○ ○ 現金預金 ○ ○ ◎ 債権債務 ○ ◎ ◎ 一般商品売買 ○ ○ ○ 有価証券 × ○ ◎ 固定資産 ○ ○ ◎ 引当金 ○ ○ ◎ 社債 × × ◎ 税金 × ○ ○ 繰延資産 × × ◎ 特殊商品売買 × × ○ 純資産会計 × ○ ◎ ストック・オプション × × ◎ 株主資本等変動計算書 × × ◎ 研究開発費・ソフトウェア × × ◎ リース会計 × × ◎ 退職給付会計 × × ○ 固定資産の減損会計 × × ◎ 資産除去債務 × × ◎ 税効果会計 × × ◎ 外貨換算会計 × × ◎ 金融商品会計 × × ◎ デリバティブ取引・ヘッジ会計 × × ◎ 本支店会計 × ○ ◎ 製造業会計 × ◎ ◎ 本社工場会計 × ○ ◎ 工事契約(建設業会計) × × ◎ 会計上の変更及び誤謬の訂正 × × ◎ 連結会計 × × ◎ 企業結合 × × ◎ 事業分離 × × ◎ キャッシュ・フロー計算書 × × ◎
簿記論 学習テーマ 日商簿記 3級 2級 1級 帳簿組織 × × × 推定問題 × × ○
財務諸表論(計算) 学習テーマ 日商簿記 3級 2級 1級 包括利益の表示 × × ◎ 会社計算規則による計算書類 × × × 分配可能額 × × ◎ 1株当たり情報 × × ○ 会社法開示制度・公告 × × × 財務諸表等規則 × × × 上記はLECサイトを引用したものです。
級ごとにどの項目が学習済みなのかがすぐに分かるようになっています。
日商簿記1級修了者はほとんどのと知識があることになりますので、あとは徹底的に問題を解くような勉強をするといいでしょう。
また、最初に簿記論で計算ができるようになると、次の財務諸表論の科目は計算50点、理論50点となっていますが、簿記論でほぼ計算の勉強は終わっているのであとは理論をつめていくことになります。
財務諸表論に進むためにもまずは簿記論のマスターが重要です。
簿記論と財務諸表論の2科目の並行は?
(専念の場合)
仕事や学校などなく勉強に専念できる環境にある人は、簿記論、財務諸表論の2科目並行はするべきでしょう。
(社会人の場合)
基本的には簿記論の1科目となりますが、日商簿記1級を持っているなら負担は少ないので、簿記論と財務諸表論の2科目並行も可能です。
ただ、相当きついです。
社会人といって人によって勉強できる時間は結構違います。
例えば、1日2時間程度ですと簿記論の1科目に集中するべきでしょう。
1日3時間程度使える人や移動時間などで細切れ時間が使える人はそれらの時間をうまく使って暗記科目に時間を割くことができるので2科目平行も可能ですが、「仕事、寝る、食べる」以外はほとんど勉強になる毎日になります。
時々簿記1級と簿記論はどっちが難しいの?どっちがいいの?と質問される方がいらっしゃいます。
簿記1級と簿記論比較
・簿記1級と簿記論はどっちが難しい?
傾向が違うので比較が出来ませんといったらそれまでなので1つ例を。
「簿記1級の問題を20分で解いていたものを10分以内で解く」
速度を洗練していくといったイメージがいいかと思います。
ですので、これが出来ない人は何年も簿記論に苦しみ「簿記論難しい」というわけです。
・簿記1級と簿記論はどっちがいいの?
簿記1級は検定資格であるのに対して、簿記論は国家資格なので扱いは全く違います。
税理士・会計事務所等で就職活動をする場合、簿記論などを1つでも持っていると採用される可能性は高くなります。
さて、最後は税理士合格者のアンケートを見てみましょう。
アンケートや詳しい内容は資料請求 をすると見ることができます。
税理士合格者アンケート
1.最初の受験科目を教えてください。
・簿記論+財務諸表論の2科目 46.1%
・簿記論のみ 23.1%
・税法 15.4%
・簿記論+財務諸表論+税法 12.8%
→合格者においては1科目だけという人は思った以上に少ないことが分かります。
2.学習開始時の簿記知識のレベルを教えてください。
・簿記2級 43.6%
・簿記1級 30.8%
・なし 17.9%
・簿記3級 7.7%
→税理士の受験資格の影響から受験資格がある人は、簿記1級を持っていない人が多く受けていることが分かります。
簿記1級を持っていると簿記論が有利なのは簿記に関して初心者レベルが多いことが上げられます。そのため簿記1級をもって簿記論を受けた多くの人が簿記論は簡単だったという意見が多いのでしょう。
4.学習開始時の状況を教えてください。
・学生 30.8%
・一般企業勤務 30.8%
・会計、税理士事務所勤務 12.8%
・主婦 7.7%
・受験専念 7.7%
→税理士試験は働きながら受験する人が多いのが良く分かることですし、このアンケートは合格者のものなので働きながらでも合格されている方が多いことも分かります。
専念が少ないのは税理士試験は長い期間が必要なことからずっと無職というわけにもいかない状況もあるでしょう。
また、主婦の方の合格者も多いことが分かります。
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⇒【簿記論】独学におすすめのテキスト
・財務諸表論の勉強におすすめのテキスト
⇒【税理士 財務諸表論】独学で合格するためのテキストと過去問
専門学校を利用してみたい方は下記を参考にしてください。
おすすめの講座
・簿記論おすすめの講座
⇒簿記論講座
・財務諸表論おすすめの講座
⇒財務諸表論講座
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