①財務諸表論に合格するためにはどのくらいの勉強時間が必要なの?
②合格に必要な教材とスケジュールを教えてほしい。
③できれば独学で合格をしたいんだけどいつどの教材をどのくらい使ったらいいのか?独学合格スケジュールのようなものはありますか?
このような疑問をお持ちの方にお答えします。
①(簿記2級合格レベルの場合)財務諸表論に合格するためには680~960時間の勉強時間が必要です。
※簿記論や簿記1級合格者ですと400~500時間で合格することができるでしょう。
②③下記にて教材と独学スケジュールを紹介します。
以下教材ごとに時間の目安とスケジュールを紹介しますので参考にしてください。
財務諸表論の勉強時間とスケジュール
まず最初に財務諸表のおおまかなスケジュールをご覧ください。
財務諸表論の学習の流れ(概要)
~12月 | 基礎期 | テキスト+問題集 |
1月~5月 | 応用期 | 問題集 過去問題集 |
6月~8月 | 直前期 | 予想問題集 模試 |
基本的には上記の流れが般的な流れとなりますが、試験まで残り日数と1日に割ける時間は各自異なります。
財務諸表合格に必要な教材
①簿記初学者~日商簿記3級合格レベル
②日商簿記2級合格レベル
③簿記論、日商簿記1級、全経上級合格レベル
このように勉強を開始する簿記レベルによって必要な教材も変わってきますので、下記に該当する簿記レベルをご覧ください。
①簿記初学者~日商簿記3級合格レベル
・簿記3級 とおるテキスト
・簿記2級 とおるテキスト
これ以降は②の日商簿記2級合格レベル等と同じ教材を使用します。
簿記2級合格レベルの知識を身に付けるためにネットスクールの「とおるテキスト」の教材を利用すると理解ができるのでおすすめです。
ただ、税理士試験に必要なのは『商業簿記』なので、簿記3級の商業簿記、簿記2級の商業簿記のみの学習する事になります。
(簿記2級の工業簿記は学習する必要はないということです)
また、合格に必要な知識を身に付けることが目的なので、過去問題集や予想問題集を購入する必要はありませんが、準拠する問題集は購入して問題を解いておきましょう。
テキストのみでは演習不足になってしまい本格的に財務諸表論の勉強になると問題が解けなくなる恐れがあります。
メモ
財務諸表論の計算問題が解けない多くの方は簿記論の計算が出来ていないことが多く、そのため簿記2級程度の問題はスラスラ解けなくてはいけません。
上記教材を使って日商簿記2級合格レベルになったのであれば次の段階である②に進みましょう。
②日商簿記2級合格レベル
日商簿記2級合格レベルの方は下記の教材を使用します。
・みんなが欲しかった! 税理士 財務諸表論の教科書&問題集 1損益会計編
・~2資産会計編
・~3資産・負債・純資産編
・~4構造論点・その他編
これ以降は③の日商簿記1級合格レベル等と同じ教材を使用します。
③簿記論、日商簿記1級、全経上級合格レベル
時間がある方は使っておきたい教材
・税理士 財務諸表論 計算問題の解き方 第4版
・税理士 財務諸表論 理論答案の書き方 第4版
・みんなが欲しかった! 税理士 財務諸表論の教科書&問題集5理論編
・税理士受験シリーズ 2019年度版 10 財務諸表論 過去問題集
・~5 財務諸表論 個別計算問題集
・~6 財務諸表論 総合計算問題集 基礎編
・~8 財務諸表論 理論問題集 基礎編
・~9 財務諸表論 理論問題集 応用編
・~33 財務諸表論 重要会計基準
・税理士試験 財務諸表論直前予想問題集
税理士に使用する教材は学習開始時の簿記レベルによって随分と異なることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
財務諸表論 独学スケジュール
月 | 期 | 教材 |
~11月 | 基礎期 | みんなが欲しかった! 税理士 財務諸表論の教科書&問題集1~5 |
12月 | 応用期 | 税理士受験シリーズ5 財務諸表論 個別計算問題集 |
1月 | ↓ | 理士受験シリーズ10 財務諸表論 過去問題集、5 財務諸表論 個別計算問題集 |
2月~5月 | ↓ | 5 財務諸表論 個別計算問題集 6 財務諸表論 総合計算問題集 基礎編 8 財務諸表論 理論問題集 基礎編 9 財務諸表論 理論問題集 応用編 10 財務諸表論 過去問題集 |
6月~8月 | 直前期 | 税理士試験 財務諸表論直前予想問題集 33 財務諸表論 重要会計基準 |
各期の教材と勉強時間を見てみましょう。
~11月 基礎期
※簿記2級合格レベルでない方は「とおるテキスト」を使って簿記2級の知識を補充してから税理士の勉強にはいりましょう。
使用教材:みんなが欲しかった! 税理士 財務諸表論の教科書&問題集
税理士の財務諸表論の勉強を本格的に始める前の準備段階が基礎期となています。
通常はテキスト等は3回程度は繰り返し見ておきたいものですが、ここでは次の応用期で使用する税理士問題集の解答解説を見ても分かるように最低限の知識と理解をしておきましょう。
5冊ありますが1回転させるのにおおよそ70~80時間程度で終わらす事ができ、これを2回程度見るので基礎期の勉強時間は150時間程度となります。
12月~5月 応用期
この応用期から税理士の本格的な勉強が始まります。
ポイント
どのような問題が出題されているのかを知っておくためにも出来る限り早く過去問は見ておきたいので、年が明けたら過去問に触れておきましょう。
12月
使用教材:税理士受験シリーズ5 財務諸表論 個別計算問題集
この月は個別計算に力を入れて基礎の問題を何回も解いておく必要があり、この月をいい加減に過ごしてしまうと後で取り返しがつかなくなります。
また、この問題集のA論点の半分程度は確実に解けるようにしておきましょう。
そうすることで過去問を見ることで今後の方針を決める事ができますが、一定レベルにないとその方針を立てることが難しくなります。
個別基礎問題集は重要度がABと2種類ありAだけなら70~80時間で3回程度は繰り返す事ができるでしょう。
1月
使用教材:
・税理士受験シリーズ10 財務諸表論 過去問題集
・税理士受験シリーズ5 財務諸表論 個別計算問題集
計算をある程度できるようにしておかなければならないので過去問を見つつ、この月でも12月同様に個別の計算の基礎を固めていきます。
勉強時間としては70時間程度となります。
過去問については問題や解答解説を読む程度で十分です。
2月~3月
使用教材:
・税理士受験シリーズ 5 財務諸表論 個別計算問題集
・税理士受験シリーズ 6 財務諸表論 総合計算問題集 基礎編
・税理士受験シリーズ 8 財務諸表論 理論問題集 基礎編
総合計算問題集(基礎)と理論問題集(基礎)を中心に進めていきます。
ただ、計算については総合問題ばかり解いていると個別計算の能力が落ちていきやすいので、個別計算問題集(基礎)も総合問題集と並行して解くようにしましょう。
総合計算問題集(基礎)は重要度ABありますが、1日2時間の勉強時間しか割けない方は総合計算問題集、理論問題集(基礎)についてはAは確実に解けるようにし、残った時間でB論点にも触れておきましょう。
総合計算問題集(基礎)は60時間、理論問題集(基礎)60時間となるのでこの2ヶ月間の勉強時間は120時間となります。
理論については移動時間・コマ切れ時間を最大限有効活用すると勉強時間以上の効果を発揮しますのでぜひ活用してみてください。
4月~5月
使用教材:
・税理士受験シリーズ 5 財務諸表論 個別計算問題集
・税理士受験シリーズ 6 財務諸表論 総合計算問題集 基礎編
・税理士受験シリーズ 9 財務諸表論 理論問題集 応用編
・税理士受験シリーズ 10 財務諸表論 過去問題集
太字である過去問を中心に理論は基礎から応用問題にも対応できる力を養っていきます。
計算が鈍らないように総合問題・個別問題をバランスよく解いていきましょう。
問題が解けない焦りや試験まで時間がなくなってきている事から合格への不安が出てくる時期になりますが、過去問を徹底的に分析し、自分に足りないものを1つずつ埋めていくことで合格は近づいてきますので焦らずいきましょう。
理論問題集(応用)については応用であっても解いておかなければなりません。
というのも理論の出題方法は2種類あり、覚えた事をそのままはきだすタイプと組み合わせて聞いている事について的確に答える力(応用力)が必要になってきます。
そのため応用は合格するためには欠かせない教材となっています。
ABCの3段階あり、A23問、B13問、C7問程度の構成になっていますので、Aを確実に抑える事を優先しましょう。
そして、計算の仕上がり具合を見てBを解くなどするといいでしょう。
これまでの使用教材の復習もあることからこの2ヶ月間の勉強時間は120時間~240時間といったところでしょう。
1日2時間の勉強ではかなり苦しいですが、コマ切れ時間をうまく使って理論の勉強をすると上記240時間の勉強時間も可能となります。
6月~8月 直前期
使用教材:
税理士試験 簿記論直前予想問題集
大原模試
市販されている予想問題集では最強といってもよく、専門学校5校の予想問題が収録されていますので、落としてはならない論点等や共通して予想される問題等は注意をしておく必要があるでしょう。
税理士試験は上位15%程度が合格する試験であることから全国で自分の位置を知る事ができるのは合格する上では特に重要となります。
また、成績には解くべき問題、弱点を知る事ができるので模試は必ず受けておきましょう。
予想問題集、大原模試を中心にこれまでの総合的な復習をすることになり、この3ヶ月間の勉強時間は一概には言えないところがあります。
体調を崩さないように注意をする必要もありますし、試験が近づくにつれ実力が伸びてくる時期でもあります。
そのため直前期の勉強時間は150時間~300時間といったところでしょう。
財務諸表論 勉強時間とスケジュール まとめ
以上、財務諸表論に合格するためにかかる勉強時間やスケジュールを紹介しましたがいかがだったでしょうか?
財務諸表論は簿記論合格者が受験をしたり、同時並行で勉強したり、簿記2級程度や初学者など様々な方が受験をされます。
そのため合格に必要な勉強時間にはかなりの幅がありますが、簿記2級合格者レベルですと680時間~960時間で合格することができるでしょう。
簿記論同時並行ですと計算の演習もしている事から計算については大幅な削減ができますし、簿記論合格者、日商簿記1級合格者ですと計算にかかる時間は短くなる事からそのような方は400時間~500時間で合格する事ができるでしょう。
おすすめの記事
・財務諸表論の勉強におすすめのテキスト
⇒【税理士 財務諸表論】独学で合格するためのテキストと過去問
・簿記論合格に必要な勉強時間はこちら
⇒【税理士簿記論】勉強時間はどのくらい?
専門学校を利用してみたい方は下記を参考にしてください。
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