①司法書士を勉強する場合、合格までにどのくらいの勉強時間が必要ですか?
②合格までにどのような流れで勉強をしていくのか、スケジュールを教えて欲しい。
③独学で勉強する場合の独学スケジュールのようなものを詳しく教えて欲しい。
このような悩み・疑問をお持ちの方にお答えします。
①司法書士に合格するためには3,000時間の勉強が必要です。
②③合格までの詳細なスケジュールについては下記にて紹介します。
このページでは・・
1.概要
→司法書士試験の特徴と試験までの大まかな”流れ”をお話します。
2.勉強時間
→合格までに必要な”時間”をお話します。
3.スケジュール
→上記勉強時間をふまえてスケジュールを詳しく紹介します。
このような順番で説明をしていきます。
目次
司法書士 合格までに必要な勉強時間
司法書士試験に合格するためにはどのくらいの勉強時間が必要となるのか?
また、どのようなスケジュールを組んだらいいのか?
具体的な例を示しながら詳しく紹介をします。
まずは司法書士試験の特徴を知り、合格までの大まかな概要をご覧ください。
1.司法書士 合格までのスケジュール(概要編)
(基礎期)
6ヶ月 民法・不動産登記法
↓
3ヶ月 商法・商業登記法+不動産登記法(記述対策)
↓
2ヶ月 その他科目+商業登記法(記述対策)
(直前対策期)
4ヶ月 全科目
→合格に必要な期間は15ヶ月
専門学校を利用する場合の一般的なスケジュールは上記のようになります。
このスケジュールは司法書士合格者の多い伊藤塾、LECもほぼ同様となっています。
1箇所違う点は不動産登記法(記述対策)、商業登記法(記述対策)をいつ行うかという事で、上記スケジュールは伊藤塾と同じになります。
メモ
LECは民法・不動産登記法の6ヶ月の勉強期間中に不動産登記法の記述対策も行うスケジュールになっています。
不動産登記法(択一対策)を学んだ後に記述対策を行う事で記憶が新鮮であり、復習も兼ねて勉強できるメリットがあります。
スケジュール
専門学校を利用する場合、最初はゆっくり進むものの徐々にペースが上がり、科目も1科目ではなく他の科目と同時並行で講義が進む事になります。
講義で勉強した事は復習をしなければならず、また、演習問題も必要なことから試験に近づくにつれものすごい量になっていきます。
直前対策は4ヶ月ありますが、この時点で講義の消化不良や復習がおろそかになっていたり、演習問題に取り組めていないと合格は厳しいものとなってしまいます。
上記スケジュールで最も重要なのは6ヶ月間で何をするのかという事です。
この6ヶ月間で民法、不動産登記法(択一)の問題は合格点が取れるようにしておく。
つまり、講義を聴いて復習をして終わりではなく、テキストの読み込みと過去問(択一)を繰り返しやる必要があるということです。
この6ヶ月間で民法・不動産登記法を合格レベルにもっていけなければ1発で合格する事は難しくなります。
基礎期という名前ではありますが、民法、不動産登記法に限らず、他の科目を勉強する際も合格点が取れるように意識して勉強に取り組むといいでしょう。
上記のスケジュールをなんとなくでもイメージすることができるといいかと思います。
ゆっくり進むのではなくいきなりトップギアで勉強がスタートする事になります。
また、最初の6ヶ月で合格点が取れるという事は勉強方法が正しいということでもありますので、そのような方は次の商法や商業登記法の勉強も合格点が取れる勉強をする事ができるでしょう。
2.司法書士・・勉強時間
次は司法書士試験に合格するまでの勉強時間はどのくらいになるのかを見てみましょう。
専門学校が提示しているスケジュールというよりは、実際に使用する教材と合格するために必要な勉強量を考慮すると勉強時間は下記のようになります。
勉強時間については冒頭で述べていますが、勉強時間に幅があるのは法律等の勉強をした事がある方とそうでない方や勉強にあまり慣れていない方等で違ってきます。
あなたはどのタイプ?
A.法律の勉強をした事がある方は2,000~3,000時間
B.法律の勉強をしたことはないが他の資格の勉強をした事がある方、普段勉強をしている方(学生等)、勉強を苦に感じない方はおおよそ3,000時間
C.法律の勉強をしたことはなくここ最近勉強をしていない方は3,000~6,000時間
※勉強にあまりに慣れていない方はもう少し時間を要するかもしれません。
このように勉強時間は3つのタイプに分類する事ができるでしょう。
ここではBタイプとCタイプの法律の勉強がしたことがない場合を想定して説明をしていきます。
それでは次は司法書士試験に合格するスケジュールとその際使用する教材とその勉強時間を見てみましょう。
3.司法書士 独学合格スケジュール
専門学校を利用する方は専門学校のスケジュールどおりに進めるのがいいのでそちらに譲ります。
ここでは独学で合格するスケジュールを「使用する教材」「時間」について詳しく紹介します。
平日8時間、土8時間・・勉強する場合を想定
(基礎期)
①2ヶ月~4ヶ月 民法
②3ヶ月 不動産登記法
③2ヶ月 商法
④2ヶ月 商業登記法
⑤1ヶ月 不動産登記法(記述対策)
⑥3ヶ月 その他科目
⑦1ヶ月 商業登記法(記述対策)
(直前対策期)
⑧4ヶ月 全科目
→合格に必要な期間は18ヶ月
それぞれの期間(ステップ)に①~⑥と番号をふり、各ステップでどのような教材を使い、どのくらいの時間がかかるのか見ていきましょう。
ステップ① 2ヶ月~4ヶ月 民法
司法書士試験において民法は他の科目の基礎となるのでしっかりと理解をしておきましょう。
このステップ①で民法のレベルを合格レベルまで一気に引き上げるので、使用する教材はテキストだけではなく過去問も使用します。
また、テキスト・過去問を1回やっただけで合格点が取れるわけではありませんので繰り返し解きます。
一般的には最低3回と言われていますが、3回で合格レベルに到達しない方は到達するまでテキスト・過去問を繰り返しやってください。
使用する教材
法律が得意な方や司法書士を勉強した事がある方は深く学ぶことで思考力を付けることができる「山本浩司のautoma systemシリーズ」がおすすめです。
説明は噛み砕いていて分かりやすいですが、初学者には内容的に難しく感じてしまう事があるかもしれません。
そのためここでは初学者であっても挫折せず勉強する事ができる「根本正次のリアル実況中継 司法書士 合格ゾーンシリーズ」を使った場合の勉強時間とスケジュールについて紹介します。
「山本浩司のautoma systemシリーズ」を使用される方も勉強時間、スケジュールの考え方ほぼ同じなので参考にしてください。
テキストにかかる勉強時間を詳しく解説
ステップ①は民法科目を勉強し、使用する教材はテキスト3冊、過去問1冊になります。
(使用するテキスト)
合格ゾーン テキスト 1 民法 I
合格ゾーン テキスト 2 民法 II
合格ゾーン テキスト 3 民法 III
民法のテキストは全部で3冊あり合計900ページ弱となっています。
分かりやすく書かれてある上に、空白も多く次から次へとテンポよく読むことができるので、1ページ2分以内で読む事ができますが余裕をもって3分としましょう。
→民法のテキスト3冊は40~50時間で読む。
テキストで力を入れるべき所
民法は財産法(総則、物権、債権)、身分法(親族、相続)からなっており、試験では20問中8割の16問は財産法から出題されます。
そのため後半部分をおろそかにしていいわけではありませんが、前半部分の財産法は特に気合をいれて勉強をするといいでしょう。
テキストが終わったら過去問「合格ゾーン 択一式過去問題集」を使用します。
過去問を解くというより、どんな問題がどのような形で出題されているのかを見るという感じになります。
過去問集は見開き2ページで左に問題、右に解答解説という作りになっており、問題3.5分、解答解説は10分で80~90時間で終える事ができます。
そうすると、民法はテキストと過去問で130~140時間で1回転させる事ができ、これを最低3回繰り返すので2ヶ月で終わらせる事ができます。
過去問を見ることでテキストのどこの箇所がどのような形で出題された事を知り、テキストの読み方が少しずつ変わっていきます。
3回転させても合格ラインに到達しない方は到達するまでテキストを繰り返し読み、過去問を繰り返し解いてください。
問題3.5分って何?
司法書士試験の午前の部は2時間で35問出題され、民法はそのうち20問
35問を2時間で解くためには1問3.5分弱で解く必要があり、それを普段の練習から身に付けていきます。
ただ、一番最初に解くときはその項目が理解できているのか確認をする事が大事なので1問3.5分については気にする必要はありません。
民法に必要な勉強時間は400時間を1つの目安にしていますが800時間程度必要な方もいらっしゃるでしょう。
平日8時間、土曜8時間、日曜予備とすると、1ヶ月は大体200時間
→民法は2ヶ月~4ヶ月程度となります。
社会人の場合
社会人の方は上記ペースで勉強をする事は不可能に近いでしょう。
平日3時間+コマ切れ1時間、土8時間、日朝のみ2時間
このような時間だと社会人の方で月100時間の勉強時間を確保する事ができます。
フリー・学生の方の半分程度の勉強時間になるので、単純計算だと2倍の期間がかかることになります。
ただ、人によっては多くの量を一気に詰め込まなくて済む上、コマ切れ時間の利用は理解・記憶の定着に非常に有効なので2倍はかからないでしょう。
社会人の方
民法の勉強に必要な時間は400時間、多くても600時間で抑えるようにしましょう。
そうすると社会人の方が民法にかける期間は4ヶ月~6ヶ月
ステップ② 3ヶ月 不動産登記法
次は司法書士試験で配点の高い不動産登記法について見ていきましょう。
(使用するテキスト)
合格ゾーン テキスト 4 不動産登記法 I
合格ゾーン テキスト 5 不動産登記法 II
4,5で合計700ページあり、1回目は30~40時間で読んでおきたいところです。
合格ゾーン 択一式過去問題集 不動産登記法 上
合格ゾーン 択一式過去問題集 不動産登記法 下
テキストが終わったら上記過去問(択一問題)を解いておきましょう。
不動産登記法の過去問については上、下で合計1,600ページものボリュームがあり、初めて司法書士の難しさを感じるのがこの不動産登記法になる方が多いかもしれません。
民法の理解、不動産登記法の難しさ、そしてボリュームの多さもあり、最も配点が高いのもこの科目なのでいかに抑えるかが合否の鍵を握っています。
過去問については今まで同様に問題は3分、解答解説に10分程度で終わらせるようにしましょう。(試験では問題を2分弱で解答する必要がありますが、今はじっくり読んで答える事を優先するべきでしょう。)
→不動産登記法の過去問は170~180時間
不動産登記法にかかる時間はテキスト→問題集を3回転させるとおおよそ600時間となります。
フリー・学生の方は3ヶ月、社会人の方は4~6ヶ月
ステップ③ 2ヶ月 商法
(使用するテキスト)
合格ゾーン テキスト 6商法
合格ゾーン 択一式過去問題集 会社法・商法
テキストは550ページ、過去問は900ページ強
勉強方法は民法同様にしていただければよく、民法の勉強で合格点が取れている方は勉強のリズムにも慣れているので勉強がしやすいでしょう。
民法は身近な例があってイメージがしやすい場合が多いですが、商法は会社を中心に話が進むのでイメージしづらく苦手にしてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、慣れると商法はとても勉強がしやすい科目ですし、自分が会社の社長や株主になった事をイメージすると理解しやすくなりますし、得意科目にすることもできるでしょう。
民法は理解型で一度覚えると忘れにくい科目であるのに対して、商法は覚える事がたくさんあるので忘れやすい科目であるともいえます。
図などを用いて整理すると比較的覚えやすいので過去問で点数が思うように取れなくてもそれほど気にする必要はありませんが、次の科目である商業登記法で苦戦しないためにも基本的・重要な箇所は必ず理解をしておきましょう。
商法の出来が悪いと商業登記法の出来が悪くなってしまうくらい密接な関わりがある科目だけに重要度の高い科目でもあります。
商法はテキスト30時間、過去問100時間となるので、3回転させるとおおよそ400時間になります。
→フリー・学生の方は2ヶ月、社会人の方は3~4ヶ月
ステップ④ 2ヶ月 商業登記法
(使用するテキスト)
合格ゾーン テキスト 7商業登記法
合格ゾーン 択一式過去問題集 会社法・商法
テキストは500ページ、過去問は800ページ弱
商法と商業登記法はつながりがとても深い科目なので、商業登記法の勉強をしていると商法の復習にもなりますし、商業登記法の勉強を初めてする場合であっても、商法の勉強をしていると負担はかなり少なく済みます。
そのためボリュームは多少ありますが、勉強時間はそれほどかからない方もいらっしゃるでしょう。
逆に商法が出来ていないと多くの箇所でつまったりして効率が悪くなりますので、商業登記法の攻略するためには商法を仕上げておく事が重要です。
テキスト25~30時間、過去問80~100時間となるので、3回転させるとおおよそ350時間になります。
→フリー・学生の方は2ヶ月、社会人の方は3ヶ月
司法書士試験は全部で11科目ありますが、主要4科目である民法、不動産登記法、商法、商業登記法を抑えると合格は目の前です。
さて、これまでは主要4科目を紹介しましたが、実は不動産登記法、商業登記法の記述対策はしていません。
そのため記述対策としての期間を設ける必要がありますが、記述対策はそれぞれ1ヶ月程度設けてあとは実践演習を日々していくことになります。
主要4科目以外(マイナー科目)の憲法、刑法、民訴等で合格に必要な勉強はこれまでの主要4科目とは違ってかなり気楽にする事ができます。
ですので、マイナー科目をやりながら不動産登記法、商業登記法の記述対策をしてもいいでしょう。
不動産登記法(記述対策)100時間
商業登記法(記述対策)100時間
マイナー科目300~400時間
→フリー・学生の方は3ヶ月、社会人の方は4ヶ月
全科目の勉強が終わったらあとは直前期の対策として独学であっても、専門学校の模試を受けながら全国での自分の位置を把握しながら各科目の勉強をするようにしましょう。
模試は全国でも多くの方が受験をするので自分の位置と弱点を把握する事ができるLECがおすすめです。
また、LECの模試は合格者の5人に4人は受けていますので、合格にはほぼ必須の模試といえるでしょう。
直前期はLECの模試を利用+弱点補強
→4ヶ月、400時間~800時間
司法書士の勉強時間 まとめ
以上、司法書士の勉強時間、スケジュールについて説明をしました。
民法 400~800時間
不動産登記法 600時間
商法 400時間
商業登記法 350時間
不動産登記法記述 100時間
商業登記法記述 100時間
マイナー科目 300~400時間
直前対策 400~800時間
以上より、司法書士に合格するために必要な勉強時間は
2,250時間~3,550時間であることが分かりました。
フリー・学生だと16~18ヶ月、社会人だと22~27ヶ月
司法書士試験は難関試験だということがこの量からでも少しは知る事ができたのではないでしょうか?
ただ、司法書士試験の本当の難しさは、これらの科目(主要科目)でかなり高い点をバランスよく取らなければ合格できない難しさがあります。
機会を見つけて司法書士の難易度や難しさについて書きたいと思います。
人によって勉強方法や身に付き方は違ってきますので、勉強時間・スケジュールについてはあくまで目安にしていただき、あなたにとってベストとなるオリジナルスケジュールを作ってみてください。
合格する事を願っています。
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