公認会計士 簿記1級

【簿記1級と公認会計士】会計士を勉強する場合、1級取得は必要か?

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①将来的には公認会計士を目指しているけど、簿記は1級まで取得したほうがいいの?

②日商簿記1級がなかなか受からない、このままだと公認会計士試験の勉強を始めるのはいつになるのか・・。

このような疑問をお持ちの方にお答えします。

①公認会計士を勉強するのであれば、簿記1級の取得は全くといっていいほど必要ありません。
勉強するのであれば簿記3級で十分です。

②日商簿記1級の勉強は辞めて今すぐ公認会計士の勉強をはじめることをおすすめします。

 

それではこれらの回答について詳しく見ていきましょう。

 

日商簿記1級と公認会計士

①公認会計士を目指す場合、簿記は1級まで取得したほうがいいのか?

簿記1級まで取得する必要はありません。

簿記1級を取得する必要はありませんが、簿記を全く勉強したことがない場合は簿記がどんな学問なのかを知るためにも、簿記3級や簿記2級のテキストを見るのはいいでしょう。

 

公認会計士講座は70万~80万円程度の受講料金がかかりますが、受講料を払った後に勉強を開始して合わないからと途中で公認会計士の勉強をやめることはなかなか難しいものがあるでしょう。

公認会計士になるということは、簿記が仕事の一部になるわけです。そのために公認会計士を目指しても大丈夫なのかの判断のためには簿記3級のテキストでもいいので読んでみるといいかもしれません。

簿記2~3級の勉強をしていておもしろいからもっと深く学びたい、簿記を活かした仕事がしたいということで公認会計士を選択する方も中にはいらっしゃるでしょう。

 

公認会計士を今後していくまえに、簿記とはどのようなものを学んでいくのかを知るためにも簿記3級程度の勉強は有益といえるでしょう。

 

 

公認会計士の講座と簿記3級、簿記2級

公認会計士の講座は、簿記が初めての方でも学習ができるようにスケジュールが組まれてあります。

→公認会計士の講座といってもいきなり難しい講義があるのではなく、最初は簿記3級講座から始まり、簿記2級講座があり、そして公認会計士講座といった流れになっています。

※簿記3級や簿記2級は公認会計士講座の中では入門講座といった位置づけになります。

メモ

公認会計士講座の講師は教え方が非常にうまいので簿記3級、2級の内容はすぐに理解することができるでしょう。

 

簿記を学習するのが初めての方は簿記3級の入門講座から入り、簿記3級修了者は簿記2級の入門講座から、簿記2級修了者や簿記1級の修了者等の方は公認会計士の本講座から合流することになります。

大原、TAC、東京CPA、LEC、クレアールといった公認会計士専門学校の全てに共通しています。
簿記を全く学んだことがない人であっても公認会計士講座を受講しても問題は全くなく、講座の中に簿記初学者であっても分かるようにスケジュールが組まれています。

 

 

②日商簿記1級が受からないから、公認会計士試験の勉強が開始できない。

これも結論は①と同じです。

1級を受験しているのならば簿記2級の知識は当然あるので、簿記といった学問がどんなことをするのか分かっています。

そうであるならば簿記1級合格にこだわる必要はなく、今すぐ公認会計士の勉強にとりかかることをおすすめします。

 

 

今すぐ公認会計士の勉強をすすめる理由

それは日商1級を取得するための「お金」「時間」がもったいないからです。

 

なぜ時間とお金がもったいないの?

公認会計士を見据えているのならば、それに向かって進むのがいいという事です。

公認会計士受験生も日商簿記1級に落ちる人は珍しくありません。
(日商簿記1級が難しいというよりは、会計士受験生は他の科目の勉強をする必要があるので簿記にそれほど時間を割けることができないともいえます。)

 

ただ、会計士受験生の母集団は比較的レベルが高く、そのような人であっても簿記1級に落ちる人もいる試験なので、簡単な試験ではないというのは分かるでしょう。

そのため簿記1級が受かるまで勉強するのは得策ではありません。
また、簿記1級に受かったとしても公認会計士を目指している人なら「簿記1級合格」の価値は限りなく0に近いでしょう。

公認会計士ではなく就職活動が目的なら、簿記1級を持っていると優遇される場合もありますが、公認会計士試験に合格して監査法人等に進むのだから簿記1級合格があっても採用されるはずもありません。

 

メモ

リスクヘッジで簿記1級を取得しておく意見もあるようですが、不合格を考えて公認会計士を目指す人はそもそも公認会計士試験に合格することはできないでしょう。

死ぬ気で公認会計士講座を受講していれば、簿記1級はほぼ対策しなくても合格することが出来ます。

 

 

日商1級を取ってから会計士を目指すべきではない「簡単な理由」

日商1級を持っていると得なのかな?
有利に勉強が進められるのなら日商1級を取ろうかな・・?

 

日商1級に合格するためには当然勉強をしなければなりません。
早くて6ヶ月程度で合格することが出来るでしょう。

試験は6月と11月に実施され、これから勉強をしようと考えている方は11月試験合格を目指すのがベストでしょう。

合否の確認はおいといて、12月から公認会計士の勉強を開始するとなると5月短答式試験に合格することが目標となります。

仮に合格できたしても8月の論文試験に合格することはほぼ不可能といってもいいでしょう。

なぜならほとんどの受験生は論文対策として半年以上勉強をしているか、または短答試験勉強において一緒に論文の勉強をしているからです。

しかし、短期間で短答式試験合格を目指そうとするこの方法では論文の勉強をすることはできません。

今回は「日商簿記1級11月試験→5月短答式試験→8月論文式試験」

このような場合を考えましたが、

「日商簿記1級6月試験→12月または5月短答式試験→8月論文式試験」

これも同様に厳しい日程となっています。

とすると、最初から公認会計士合格を目指して勉強をする方が効率がいいことになります。

ただ、日商簿記1級の勉強は公認会計士の勉強において無駄なのかというとそんなことはありません。

日商簿記1級合格者の公認会計士受験生の割合は1割にも満たないのですが、日商簿記1級合格者は公認会計士の勉強をするうえでかなりのアドバンテージがあります。

アドバンテージがあるということは講義の内容がしっかりと理解できるため負担が少なく、他の受験生より高いレベルで講義を完成させることができたり、理論科目に大きく力を入れることもできます。

日商簿記1級にいつ合格するのか?また会計士にいつ合格するのか?

といったことをしっかりと考えて、日商簿記1級を受験するのか?それともいきなり公認会計士の勉強をするのか判断するといいでしょう。

 

そもそも公認会計士講座は・・

日商簿記1級を勉強した事によって公認会計士の勉強を始めるのが半年以上遅れることになります。半年で受かればですが、受からなければもっと遅れる事になります。

 

公認会計士の講座は簿記3級、2級は入門講座が別に用意されていますが、1級用の講座はありません。1級の勉強は会計士の本講座に含まれています。

そのため簿記1級の勉強をしても、公認会計士の本講座で再度聴く事になります。
簿記1級を取得していると理解は早いでしょうが、講座についていけている人は一気に簿記1級の合格レベルかそれ以上になります。

つまり、簿記1級に合格するまでにかけた時間はほとんど意味を成さないことになります。

 

公認会計士の講師は教え方が非常にうまいので、最初からこの講師に学べばよかったと思うかもしれませんし、理解度も違ってきます。

 

簿記1級を半年以上かけて勉強をしても、会計士講座で再度それと似たようなことをするので「足踏み状態」になってしまいます。

その半年以上かけた時間がもったいないのです。

 

それでは2回で簿記1級に受かった場合を比較して見ましょう。

 

具体例で考えてみる

Aさん:簿記1級を1年間勉強した。
2022年10月~2023年11月 日商簿記1級試験受験
簿記1級を1年程度勉強すると11月が試験日なのでこのようになります。

Bさん:公認会計士を1年間勉強した。
2022年10月~2023年12月 公認会計士短答式試験受験

 

Aさんの場合は簿記を勉強したことによって1年間遅れて会計士講座の勉強をはじめることになるので短答式試験を受験するのが1年程度遅れることになります。

1年遅れるということは監査法人に就職する時期も遅れることになり、それは・・・

Aさんは勉強中
Bさんは監査法人で年収500~600万円程度の収入がある

このように簿記1級の勉強をするかどうかで変わってくるのが一般的です。

 

努力をして1年間遅くなるのは仕方がないことですが、それを分かっていてするのはどうなのかな?ということです。

簿記1級を勉強するためには独学だと4万、学校だと15万円かかるのでその金額も損をする事になります。

 

公認会計士講座の「簿記1級取得者」の割引額は?

大原、TAC、東京CPAにおいて公認会計士の受講料金は簿記の修了状態によって割引額が違います。

 

簿記3級修了者 5,000円~10,000円の割引

簿記2級修了者 10,000円~30,000円の割引

簿記1級修了者 簿記2級修了者と同じ

 

つまり、割引の限度は2級修了と同じで、1級を取得しても割引額に変わりがないことが分かります。

 

いい事ないの?と思う方もいらっしゃるでしょうが、実際すごくいい事はないといってもいいでしょう。
もちろん1級を持っていると2級より評価されるため就職活動で多少は有利に働きます。採用担当者によっては難易度を知っているため高く評価される方もいらっしゃいます。

世間では1級を持っていても2級とあまり変わらない、就職で役に立たないなどといった情報が流れています。

しかし、実際はそんなことはありません。分かる人には分かる(評価してくれる)資格です。

 

公認会計士に不合格になった場合はもしかすると役に立つかもしれませんが、合格するために勉強をするのであって最初から公認会計士が不合格になることを想定して勉強をしませんよね。

 

 

公認会計士受講者の簿記のレベルは?

それではここから話を変えて、実際に公認会計士講座を受講した人の簿記のレベルはどうだったのか気になりませんか?

どこまで持っていて受講したのか・・?

これまで1級はいらないとはいったものの実際に公認会計士を受講している人の簿記レベルは知っておきたいところでしょう。

 

例えば1級20%、2級30%、3級30%、簿記初学者20%だったとしてもこのアンケートには意味がありません。

なぜなら公認会計士に不合格を含めた簿記レベルを知っても参考にはならないからです。
本当に必要なものは「合格した人の公認会計士の勉強をはじめる時の簿記レベルはどうだったのか?」になるでしょう。

 

合格した者のみを対象としたアンケートを実施したものがあります。

公認会計士『合格者』アンケート

TACの最新版の資料を見ると・・

 

アンケート1

「学習開始時の簿記の知識レベルはどのくらいでしたか?」

初学者     53%
2級合格レベル 25%
3級合格レベル 14%
その他      8%

これは”合格者アンケート”なので、合格者の学習当時の簿記レベル分かるので参考になるかと思います。

また、1級合格者はあまりいないことが分かります。
その他の8%は簿記1級合格者だけでなく、簿記論合格者も含まれています。

 

メモ

このアンケートはTACですが大原でも同じような結果になっています。

現在だけでなく10年前であっても学習をはじめたときの簿記レベルは半分が初学者でした。

 

次のアンケートにすすみましょう。

アンケート2

「学習開始後に、日商簿記検定等の資格を取得しましたか?」

簿記1級 39%
簿記2級 30%
簿記3級 18%
簿記論・財務諸表論 4%
その他 9%

 

資料請求すると様々なアンケートを見ることができますが、意外と?参考になるアンケートですよね。

簿記1級以上の取得者は合格者では全体の8%になっているため、簿記1級取得は必要ないことを証明しているアンケート結果となっていることが分かります。

会計士と簿記1級 まとめ

以上、会計士と簿記1級について紹介をしましたがいかがだったでしょうか?

 

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専門学校

専門学校を利用してみたい方は下記を参考にしてください。

一発合格を目指すなら計算力とバランスのよい大原がおすすめですが、経済的に厳しいという方はLECで一発合格を勝ち取れば費用は他校の半分以下となっています。それだけ難しいということでもありますが、LECをおすすめするのには理由があります。

LECをおすすめする理由

学校、仕事、家事等で忙しくなったとき、勉強がうまく進まなかったり、短答試験に合格できない場合は、論文の講座代が無駄になることがあります。
(LEC以外の専門学校は基本的に短答・論文代を含めた一括の講座となっているか、分割してある講座は合算すると通常より高くなります。)

知人は論文の教材がほとんど手つかずになってしまったと言ってました。
テキストや講義というのは最新を使わないとそれだけで数点不利になってしまいます。
数点を争う試験なだけにそれは大きなデメリットとなってしまいます。

他校ではこういうことが起こりえますが、LECでは短答だけの講座論文だけの講座と分けてあるので勉強にメリハリをつけて教材をこなすことができる上に、金銭面においても短答試験合格後に論文講座を受講という形をとることができるので損をしない選択ができます。また、もともと金銭的に安い大きなメリットもあります。

安いと聞くと内容が薄いのでは?と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、LECは科目ごとに論文講座があります。
「普通なのでは?」と思うかもしれませんが、多くの学校は論文講座はなく論文答練で実際に問題を解かせてそれを説明する形をとっています。そのため短答の理解から論文の理解へ短期間で引き上げる必要があります。
学生の場合は多くの時間が取れたり夏休みもあって時間でカバーできる部分もありますが、社会人の場合は困難になります。

それが結果となって表れています。

30代、40代を例に挙げると短答試験の合格率はほぼ同じなのですが、論文に限っては明らかに悪くなっています。
瞬発力・暗記力・計算力は若い世代が強く、思考力は社会人が強そうに感じるかもしれませんが実際は違います。

30代、40代の合格率を記事にしていますので気になる方はこちらをご覧ください。
こちらは監査審査会の合格状況から実際の数値を使って説明をしています。

【公認会計士30代】30歳や35歳から合格・就職できるのか?
【公認会計士40代】40歳、45歳で受験と転職は大丈夫?

論文こそLECで思考力を養い着実に合格ラインに上げることが重要なのです。
LECの論文講座は内容が濃いのでメリハリをつけて勉強をする必要があります。

LECのメリット・デメリット(評判)

LECの驚きの受講料金とスケジュール

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2023年短答合格コース<春生>【通信】

2022年12月短答式試験目標の方はこちら
2022年短答合格コース<秋生>【通信】

2022年5月短答試験目標の方はこちら
2022年短答合格コース<春生>【通信】

○学校選びで迷ってる方はこちら
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