①論文式試験に不合格になったが、今後どのようにしていけばいいのか。
②論文の各科目のポイントは?対策・勉強法は?
このような疑問をお持ちの方にお答えします。
下記にて論文式試験に合格することができるような対策・勉強法を紹介しますので参考にしてください。
公認会計士と論文式試験
論文式試験の科目は全部で6科目。
論文式試験に合格するための1つの考え方として「4勝3敗」という考え方があります。
これは各科目で得点率52.0超なら「勝ち」、52.0未満なら「負け」。
得点率=偏差値
会計学Ⅱ(財務会計)のみ得点が200点あることから2科目として扱います。
例えば・・
科目 | 勝ち | 負け |
会計学Ⅱ | 2 | |
会計学Ⅰ | 1 | |
租税 | 1 | |
経営学 | 1 | |
監査論 | 1 | |
企業法 | 1 |
上記のように会計学と租税で得点率52超を取ると4勝となり、それ以外の3科目が負けであっても概ね合格することになります。
どの科目で勝ち負けを決めても、実際は思ったように得点できなかったり、出来ていると思っても周りが出来ていることで逆に得点率が低いということはよくあるでしょう。
論文と得点率
常日頃から得意科目は伸ばし、苦手科目は大きく足を引っ張らないようにすることが必要です。
もちろんバランスよく勉強をすることで苦手をなくすことができればいいですが、何か1つは苦手科目を相殺できる得意科目があると総合の得点率を伸ばしやすくなるでしょう。
勉強をしていくことで点数を伸ばしたくても思うように伸びなかったり、苦手だと思っていた科目が伸びてくることもないわけではありません。
最初は時間をかけてもなかなか伸びづらい科目で苦手だなと思っていても試験が近づくにつれ点数が取りやすくなる科目も人によってはあるでしょう。
このように予定通りに進まないことは多々ありますが、そのあたりは随時修正することで対応をすることになり、そうすることで常に合格するために必要なことを意識することで合格しやすくなります。
そのためには多少なりとも戦略的に勉強をすることをおすすめします。
いきあたりばったりというか毎日授業に必死についていくことで合格する方はたくさんいらっしゃいますが、それよりも実際は不合格になってしまう方が多いため多少戦略を交えて勉強をしていくと効果を発揮しやすくなります。
それでは科目別にポイント等を見てみましょう。
論文試験科目
ここで紹介するのは、論文式試験で不合格になってしまった方、現在短答式試験に向けて勉強中の方、これから公認会計士の勉強をはじめる方などを対象としています。
会計学Ⅱ(財務会計) 勉強法と対策
勝敗の例でもお話をしましたが、他の科目と違って2科目分あるので、この会計学Ⅱ(財務会計)の出来が合否に大きく影響を与えます。
これは短答式試験のときと同様で会計士の勉強をしている方なら会計学Ⅱの重要性は分かりきっていることでしょう。
しかし、そうであるならばまずはこの科目で得点率が52を下回らないような勉強スケジュール・計画にする必要があります。
会計学Ⅱが得点率45になってしまったら合格は余程のことでないかぎり難しいといえ、逆に得点率が55だとかなり合格しやすくなります。
論文は短答式試験以上に計算力で差が付いてしまうことがありますので、計算力がない方は計算に時間を割く必要があるかもしれません。
理論テキストを丸暗記したり、論文答練の解答を暗記しているようでは合格点を取ることは難しいでしょう。
おすすめの専門学校
計算力を鍛えるためには他校を圧倒する計算力のある「大原」がおすすめです。
また、理論については基本を中心として「理解」を主とし、あとはポケットコンパスで正確な暗記をしていくことである程度得点することが可能です。
大原は理論にそれほど強いイメージがないかもしれませんが、論文答練によって力が底上げされるので会計学Ⅱで得点率55以上を取りたい方は大原がおすすめです。
会計学Ⅰ(管理会計) 勉強法と対策
会計学Ⅰ(管理会計)は少し注意が必要な科目かもしれません。
それは勉強をすればするほど点数が伸びていくことが期待できるので、時間をかけてしまう方がいらっしゃいます。
しかし、管理会計は時間に比例して得点が伸びるわけではないので効率性が高いとはいえず、ある程度の得点ができるようになったら他の科目との兼ね合いもありますが、他の科目に時間をかけるほうが得策かもしれません。
ただ、管理会計の勉強をしている論文式試験の勉強のモチベーションを保つことができる等の方は適度に勉強をしておくほうがいいでしょう。
会計士試験の上位合格者(一桁順位)の会計学Ⅰの成績を見ると、共通していることがあります。
それは会計学Ⅰの得点率が他の科目よりも低いということです。
話を聞いたところ「この科目は得点率60くらいを目処にあまり勉強をしすぎない」ということをおっしゃってました。
※得点率60は十分高いですが・・。
会計学Ⅰで論文模試、本試験で1位や2位を取っている知人がいますが、会計学Ⅰがもともと得意であり、バランスよく勉強をしているものの結果的に会計学Ⅰの点数が出てしまうことを言ってました。
このように得点率が相当高い人はもともとその科目が極めて得意であり、それほど時間をかけていないのに点数が出やすい特徴があることが分かりました。
このあたりについては合格者に聞いたところ会計学Ⅰはあまり時間をかけずに他の科目に時間をかけるほうが得策であり、結果として合格しているので正解だったという意見は多くありました。
他の科目で挽回するのが難しい方、時間的に余裕がある方、会計学Ⅰが得意でもう少し点数を伸ばしたい方は会計学Ⅰで点数を伸ばすのもいいですが、基本的にはある程度の得点が取れるようになったらあとは守っていく科目だとも言われています。
また、会計学Ⅰは勉強次第では得点率52あたりは割と短期間で取ることもできるでしょう。
(短答式試験で計算に泣かされた人はある程度の計算演習は必要となってきます)
会計学Ⅱ同様に論文の計算は1問が正解できるかどうかはかなり重要になってくるので、みんなが解けるような基本的な問題・重要度の高い問題などは確実に解く事ができるように早めの対策が必要です。
おすすめの専門学校
基本的にどの専門学校でもいいのですが、LECは会計学Ⅰ(管理会計)の論文講義については他校より一歩上をいってます。
また、論文対策をしている学校というのは実はほとんどなく、唯一論文対策を実施してるのはLECくらいなので会計学Ⅰで点数が取れない、理論が苦手という方はLECの講義を聴くと安定した得点を取ることができるでしょう。
論文答練は「基礎」を徹底的に仕上げておき、また論文では似たような論点から出題されるのでそのような重要度の高い問題については完璧におさえるとともに、多少角度を変えて出題をされても答えることができるようにしておうと万全でしょう。
今利用している学校で会計学Ⅰで得点率が50くらいで、多少勉強不足を感じているのであれば他校は利用せず、今の学校を信じて勉強をしていくといいでしょう。
会計学について
会計学Ⅱ、会計学Ⅰについて紹介をしましたが、論文式試験において大事なのは会計学で得点率55を取ることができるかどうかです。
次の論文試験に挑戦をする方又は合格発表前から結果がなんとなくわかっている方は会計学(特に計算)の演習だけでもやっておくと、論文の勉強が本格化するときに有利に進めることができます。
※論文式試験から開放されることでこれまでとは違った雰囲気の中勉強をするので、驚くほど伸びる方もいらっしゃいます。
租税法 勉強法と対策
租税法は時間をかけるほど点数が大きく伸び、総合点のアドバンテージを大きく稼ぐことができます。
ポイントとしては計算だけではなく、理論にも時間をかけることが重要で、特に基準集を使い込むことで計算だけでなく理論でも点数を伸ばすことができるでしょう。
基準集を使い込むことが租税でさらなる点数を取るには必要ですが、基準集を使い込む受験生は少ないのが現状です。
基準集の配布が遅いことやちょうどその頃は論文受験生にとっては地獄の時期でもあるからです。
論文講義や論文答練、租税法、経営学がはじまり、企業法は短答とは違った形式になっているなどやるべきことがたくさんあり、これは受験経験者なら誰しも味わっていることでしょう。
租税法の攻略は合否に影響を与える場合もあり、一度点数が出だすと安定した点数を取ることができ、論文試験での安心材料にすることができるでしょう。
通常の受験生は租税法に時間をかけられないこともあるため、偏差値で競う論文式試験では上下でかなりのばらつきがあり、受験経験者は租税法で差を付けておくのが望ましいです。
これまでは時間がなくて租税法で得点ができなくても、論文式試験まで時間がある方は租税法に時間をかけて得点率は60くらいを目指すといいでしょう。
おすすめの専門学校
租税といえば大原といわれるくらい有名な専門学校です。
効率的に勉強ができるポケットコンパスがあり、ここに情報を集約することで租税法で覚えておかなくてはならないことを常に確認することができます。
ポケットコンパスは名前のとおり手におさまるくらいの大きさなので持ち運びにも便利です。
租税法は大原を利用して得点率60を目指すのがいいでしょう。
しかし、あまり時間をかけられない社会人の方もいらっしゃるでしょう。
そういう方は東京CPAの租税が意外とおすすめです。
テキストは秀逸で繰り返し解く事で知らない間に鍛えられており、また、答練によって総合的な解き方を学ぶことができます。
テキスト(特に例題)を繰り返し解くことと、答練をフルに利用することでかなり短い時間であっても得点率55くらいまでとることも不可能ではありません。
経営学 勉強法と対策
経営学は学ぶ範囲が非常に広いため重要な項目のみを抑えて戦うことになる科目になるため、勉強をしてきたこと以外から出題されることはよくありリスクの高い科目であることはご存知でしょう。
しかし、論文式試験は偏差値で得点が決まるため、学校で習っていないようなことはだれもできません。
そうするとその問題には点数が振られないことになり差はつきませんが、授業で習ったところを確実に正答する力が要求されます
計算については難易度もありますが、ある程度正答する必要があります。
リスクの高い科目だといわれていますが、実際はそういうことはなくやるべきことをしっかり抑えて試験に臨むと短い時間であっても得点率52超を取ることができる科目です。
おすすめの専門学校
得点率52~55くらいまでなら長短期間で取得可能な東京CPAが圧倒的におすすめです。
今では東京CPAといえば経営学というくらい有名なのでご存知の方もいらっしゃるでしょう。
2週間~一ヶ月で得点率55以上取れたという方が非常に多く、中には一週間で科目合格レベルを取っている方もいらっしゃいます。
ただ、東京CPAは慶應生が多くもともと経営の知識があった方も少なくはありませんが、初学者の方が多いことから初学者にもおすすめです。
大原の経営学もいいので大原生はあえて受講する必要はないですが、点数が思うように取れないというのであれば単科で取ることも検討してもいいかもしれません。
残りは監査論と企業法の2科目です。
監査論 勉強法と対策
この科目は短答式と論文式では頭の使い方が異なるところがあります。
短答式試験では足切りギリギリなどほ監査論が苦手な人でも、論文の監査論になると安定して得点率55以上を取る方も少なくありません。
逆に短答式試験でいい点数が取れたのに論文になると点数が取れない方は要注意です。
そのような方は論文式でよく問われるような重要度の高い項目を中心に「理解を心がけた・本質的な理解」読み込みを行うといいでしょう。
論文になるとどうしてもキーワード中心に重要な事項の暗記に走ってしまいがちになりますが、安定した点数を取るためには本質的な理解がカギとなるでしょう。
おすすめの専門学校
監査は東京CPAが圧倒的におすすめです。
東京CPAは経営学、監査論については成績のいいものが多いため、それがツイッターなどで広がり「東京CPA=経営学、監査論に強い学校」として有名です。
東京CPAの監査論のテキストは分厚いことでも有名で、他校の2倍~4倍くらいあるかもしれません。
そのくらい分厚いですが、他校では記載されていない理由など詳細に書かれており、本質的な理解をするにはうってつけです。
※分厚くてもページのいたるところに重要度の記載があるので重要度の高いところだけを読むことで時間短縮も可能ですし、東京CPAのテキストは書き込みを想定して作られているため余白を多めにとっています。
そのため東京CPAの受講生は監査に強い傾向にあります。
(利用者の評判)
「分厚いけど圧迫感がなく、理解しやすいので思った以上にさくさく読み進めることができますが・・それでもやっぱり量が多くて挫折をした」
→このような他校生は結構います。
時間がある方、監査論が苦手で論文で足切りになってしまった、監査論でもう少し得点したいという方は東京CPAを考えてもいいかもしれません。
企業法 勉強法と対策
最も足切りの可能性のある科目が論文企業といってもいいでしょう。
短答と論文では出題形式が異なるため論文の企業法に進んだ場合慣れるまで時間がかかるかもしれません。
また、論文科目の中でも最も基準集を使う機会が多いのも企業法であり、基準集の使い方、論文の書き方、覚えるべき箇所(趣旨等)など・・・やるべきことがたくさんあり、点数が取れるまでに時間がかかるのが論文企業法です。
論文の勉強では租税法の次に時間がかかる科目でもあり、いかにしてこの科目で得点が出るようにするのかがポイントになります。
会計士の勉強をしている人は対応力や吸収力に優れた人が非常に多く、この企業法にもすぐに対応をして2月ごろの答練でかなり書けている受験生もいらっしゃいます。
そのような受験生の特徴は短答でも総合点で8割クラスの得点ができていた人が多い傾向にあります。
短答と論文と出題形式は違っても短答の正確なインプットの違いによって差が出やすい特徴もあります。
ただ、一度論文企業のペースをつかむことができると時間はかかっても得点できるようになりますが、方向性を間違えて勉強をしてしまうといつまで経っても得点率50を下回るという結果になってしまいます。
また過年度生にありがちなのが、過去に出題された論文答練というのは来年の論文答練でも似たようなものが出題され答練ではいい点数を取ってしまうことがあります。
おすすめの専門学校
おすすめは2校あり、大原とLECです。
大原は論文企業を効率よく学習をすることができる講座があり、特に論文総まとめは書き方などのロジックを学ぶことができ他校では以外とこのような講座がないので、単科で申し込むことができかなり安いので企業論文で得点できない方はおすすめです。
LECは企業論文講義というものがあり、数ある公認会計士講座の中でも論文講義を深くやっているのはLECのみです。
2年目以降の他校生が単科で受講する方も少なくありません。
知人に論文企業で足切りになり、LEC論文企業を単科でとって58くらい取っていた記憶があります。
公認会計士 論文試験対策・勉強法 まとめ
以上、公認会計士論文試験の各科目の対策・勉強法やおすすめの専門学校について紹介をしましたがいかがだったでしょうか?
おすすめの専門学校を紹介したものの、基本的には1つの学校に専念をするのが得策です。
ただ、どうしてもこの科目が苦手、その学校を利用していても点数が出ないという事情がある方は上記でおすすめをした専門学校の検討や単科で取る等を検討してもいいでしょう。
おすすめの記事
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専門学校
専門学校を利用してみたい方は下記を参考にしてください。
一発合格を目指すなら計算力とバランスのよい大原がおすすめですが、経済的に厳しいという方はLECで一発合格を勝ち取れば費用は他校の半分以下となっています。それだけ難しいということでもありますが、LECをおすすめするのには理由があります。
LECをおすすめする理由
学校、仕事、家事等で忙しくなったとき、勉強がうまく進まなかったり、短答試験に合格できない場合は、論文の講座代が無駄になることがあります。
(LEC以外の専門学校は基本的に短答・論文代を含めた一括の講座となっているか、分割してある講座は合算すると通常より高くなります。)
知人は論文の教材がほとんど手つかずになってしまったと言ってました。
テキストや講義というのは最新を使わないとそれだけで数点不利になってしまいます。
数点を争う試験なだけにそれは大きなデメリットとなってしまいます。
他校ではこういうことが起こりえますが、LECでは短答だけの講座、論文だけの講座と分けてあるので勉強にメリハリをつけて教材をこなすことができる上に、金銭面においても短答試験合格後に論文講座を受講という形をとることができるので損をしない選択ができます。また、もともと金銭的に安い大きなメリットもあります。
安いと聞くと内容が薄いのでは?と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、LECは科目ごとに論文講座があります。
「普通なのでは?」と思うかもしれませんが、多くの学校は論文講座はなく論文答練で実際に問題を解かせてそれを説明する形をとっています。そのため短答の理解から論文の理解へ短期間で引き上げる必要があります。
学生の場合は多くの時間が取れたり夏休みもあって時間でカバーできる部分もありますが、社会人の場合は困難になります。
それが結果となって表れています。
30代、40代を例に挙げると短答試験の合格率はほぼ同じなのですが、論文に限っては明らかに悪くなっています。
瞬発力・暗記力・計算力は若い世代が強く、思考力は社会人が強そうに感じるかもしれませんが実際は違います。
30代、40代の合格率を記事にしていますので気になる方はこちらをご覧ください。
こちらは監査審査会の合格状況から実際の数値を使って説明をしています。
⇒【公認会計士30代】30歳や35歳から合格・就職できるのか?
⇒【公認会計士40代】40歳、45歳で受験と転職は大丈夫?
論文こそLECで思考力を養い着実に合格ラインに上げることが重要なのです。
LECの論文講座は内容が濃いのでメリハリをつけて勉強をする必要があります。
おすすめの講座
2023年短答試験目標の方はこちら
⇒2023年短答合格コース<春生>【通信】
2022年12月短答式試験目標の方はこちら
⇒2022年短答合格コース<秋生>【通信】
2022年5月短答試験目標の方はこちら
⇒2022年短答合格コース<春生>【通信】
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