公認会計士

【会計士資格】独学で論文式試験に挑戦はあり?

更新日:

①会計士資格の論文式試験に独学で挑戦したいんだけど合格できますか?

②短答は独学で合格できたので論文も独学で合格できますよね?

③公認会計士の論文対策用でおすすめの教材は?

このような疑問をお持ちの方にお答えします。

①②独学というのが学校を一切利用せず市販されている教材だけの挑戦なら相当の時間がかかりますが合格できないことはないでしょう。

論文答練という教材を利用すると効率的に勉強をすることができるのでおすすめです。

 

このページは短答式試験に合格した方が対象となるので、これから公認会計士の勉強を独学ではじめたい方はこちら
【公認会計士独学は無理?】独学合格できるテキスト

 

 

 

公認会計士の論文式試験の教材についてみていきましょう。

公認会計士資格 論文式試験に「独学」で挑戦

論文式試験を独学で挑戦する場合、人によって置かれた状況は異なるのでまずはそこを整理しておきましょう。

 

下記の3つの中であなたはどれに当てはまりますか?

1.短答式試験は学校を利用して合格した

2.短答式試験は独学だがテキストは学校のものを基本的に使った

3.短答式試験合格に利用したテキストは市販のものだった

 

→1.2の方は学校のテキストを利用していることから改めてテキストを購入する必要性は低くなりますが、そのテキストが短答用のもので論文試験に対応していない場合は改めて論文用のテキストを買う必要があります。

 

改めて購入するかどうかは下記を参考にしてください。

論文に対応しているのか?

・テキストが大原、TAC,東京CPAのものであれば論文に対応しているので、改めて論文用のテキストを買う必要はありません。

LECは短答と論文を分けているので論文用のテキストを買う必要があります。

・短答式試験は市販のテキストでも合格できる場合もありますが、論文式試験の場合は少し厳しくなりますので、できれば論文用に学校のテキストを購入することをおすすめします。

全科目のテキストを改めてそろえるのが厳しい方は状況に応じてテキストをそろえていきましょう。

必要なテキストについては各科目で改めて触れていきますので心配はご無用です。

 

 

公認会計士 「論文式試験」に必要な教材

論文になると租税法選択科目の2科目が新しく加わることになります。

※選択科目は経営学、経済学、民法、統計学の4つあり、9割の方は経営学を選択するので以下は経営学で話を進めていきます。

 

1.租税法

租税については大原が専門学校で圧倒的に強く、大原の租税テキストはオークションで入手することができるので使わない手はありません。

東京CPAのテキストも独学で問題が解けるようになり、東京CPAの答練で上位(一桁順位)になることも可能なのでこちらのテキストもいいでしょう。
以前はテキストが3冊でしたが現在は5冊となっています。

大原、東京CPAどちらでもいいですが、大原には租税法の論点を小さな本1冊(メモ帳程度の大きさ)にまとめたポケットコンパスがあり、これとテキストとリンクさせることができる大原に軍配があがるでしょう。

このポケットコンパスは他校生もオークションで入手する人も多く、小さな本ですが5,000円以上で取引がされています。(5,000円だと安いくらいです)

 

ただし、練習問題として東京CPAの答練を入手できるのであれば、東京CPAのテキストを購入したほうがいいでしょう。

このように答練で入手したものと学校をそろえるようにするのがいいでしょう。

もう1つの判断基準としては、時間がない方は東京CPA、時間がある方は大原を選ぶといいでしょう。

 

大原の租税は人気があるのでオークションで買う場合はそれなりに覚悟をしたほうがいいかもしれません。また、租税法は法人税、消費税、所得税の3つがあるので分割して出品している人も少なくないのですべて落札するようにしないといけません。

法人税だけだと10,000円~15,000円程度くらいになり、法人税、消費税、所得税のセットだと20,000円くらいするかもしれません。

東京CPAだと25,000円で最新版が購入できるのでその存在を忘れないようにしましょう。

 

 

2.経営学

最初は難しくありませんが、ページが進むにつれテキストだけでは理解できないかもしれないので、経営学については講義があるものを選ぶことをおすすめします。

また、この科目は試験傾向が重要なので最新版であり試験委員対策があるものを購入するのが望ましいです。

経営については東京CPAが最も強いのでこのテキストを使ったほうがよく、東京CPAから購入をしてもテキストは10,000円で購入することができます。試験委員対策と講義付で36,000円になりますが経営学で他の科目を引っ張ることができるのでできれば購入しておきたいところです。

東京PCAの次にいいのは大原ですが、オークションだと講義付で10,000円~15,000円程度で入手できる場合があります。ただ、最新版でない場合が多いので注意をしておきたいところです。

 

 

3.基準集

※上記は会計学の基準集になります。

論文で必ず購入しなければならないものの1つとして「基準集」と言われるものがあります。

基準集は論文試験会場で配布されるもので、必要なときはそれを見ながら記述をしていきます。

※司法試験の場合は判例が掲載されていない試験用の六法を使いますが公認会計士試験もそれと似ています。

 

受験生は配布された基準集を引きながら書くことになるので、論文の勉強のポイントとしては基準集に書かれてあることを必死で覚えるのではなく、基準集に書かれていない箇所、例えば会計学なら結論の背景部分をしっかり読み込んで記述できるような勉強をする必要があります。

 

学校を利用している方であっても基準集は別途申し込みをするか自分で書店やネットで購入する必要があり、独学の方は自分で書店やネットで基準集を購入する必要があります。

毎年2月20日ごろ発売され受験生が一斉に購入するので売り切れになる場合もあるので注意が必要です。実際に売り切れで買えなかった人を見たことがあります。

※学校を利用している方は発売前に学校側が購入するかどうかを聞いてくるので、その時申し込みをすると売り切れになるおそれはありません。

 

基準集を買うタイミング

・2月20日ごろから基準集が発売されるのでその頃から基準集を使う人が多く、それまでは租税や経営学に力を入れながら他の科目は基本的な論点に力を入れておくといいでしょう。

・5月短答式試験に合格し、翌年の8月論文式試験を本命とする場合は、翌年の2月に発売されるまで待つのではなく現在発売されているものを使って練習をするのがいいでしょう。

・論文式試験に不合格になった方は会場で基準集がもらえるので2月発売まではそれを使えばいいでしょう。

→独学の方で買うタイミングがよく分からない方は基準集を買って常に手元に置いておき、どの部分が基準集に書いてあるのかをこまめに引くといいでしょう。

 

基準集は、会計学3,060円、監査2,700円、企業3,980円、租税1,798円の4科目ですが、年度によって価格は変動する場合があります。

 

 

論文式試験と論文答練

 

論文試験対策で必須となる教材は論文答練になります。

答練というのはテストのようなものですが、この論文答練を通して論文に対応していく力をつけていくと思っていただけるといいでしょう。

 

例えば、短答式試験の場合は計算問題や○×を答えるものでしたが、論文式試験はストックオプションって何?どうしてこういったものがあるの?など機械的に勉強をしていると答えるのにつまってしまうかもしれません。

普段の勉強の中で「Aは大体こんな意味」というような自分の言葉で言えることができるようにしておくといいでしょう。
テキストや論文答練の解答を丸々暗記する方がいらっしゃいますが、そういった勉強は時間を無駄にするだけでなく効果が薄くなります。

 

短答式の勉強で理解を中心とした勉強をしていると論文では吐き出す練習と趣旨に沿った記述をしていく練習になります。論文答練はまさにその練習です。

基本が大事というのは論文になると一層重要性を増すことになります。

 

 

4.論文答練

 

論文答練は、基礎、応用(上級)、直前の3つに分かれていますが、基礎と応用(上級)の2つをしっかりこなせることができれば合格圏内に入ることができるでしょう。

論文答練と短答答練の大きな違いは、短答答練の場合はオークションを利用することもできますが、論文答練は「採点」をしてもらう必要があります。
そのためオークションだと採点をしてもらうことができないため論文答練をオークションで購入してもその効果は半減することになります。

ただし、すべての科目を学校から購入するとかなりの金額になるので、企業と監査の2科目は最低限採点をしてもらうために学校から購入することをおすすめします。金銭的に余裕がある方は配点の高い会計学も購入するといいでしょう。

 

論文答練の金額については下記の表をご覧ください。

左は大原の論文答練、右はオークションで落札する場合の理想的な金額になります。

科目 大原 オークション
種類 基礎 応用 基礎 応用
企業法 12,600円 12,600円    
監査論 12,600円 12,600円    
会計学 25,000円 25,000円 8,000円 8,000円
租税法 12,600円 12,600円 4,000円 4,000円
経営学 12,600円 12,600円 4,000円 4,000円

 

上記のように大原の論文答練は個別に購入することができるのでお得です。
また、東京CPAも個別に申し込むことができますが、こちらは企業法などの科目は基礎がなく上級と直前になっているので、基礎答練がある大原をおすすめします。

合格者の中には、「時間がないのなら論文答練は基礎だけでも受けておくべき」という意見も少なくないので、苦手科目については足を引っ張らない程度に基礎答練だけでもマスターしておきましょう。

 

論文の配点は1科目100点ですが、会計学は財務会計(簿記と財表)と管理会計からなっているので300点です。

そのため会計学の出来が悪いと合格は途端に遠のいてしまうことは覚えておきましょう。

 

論文答練代は・・?

例えば、基礎の論文答練だけをそろえる場合は・・

大原から購入:企業12,600円、監査12,600円
オークションから購入:会計学8,000円、租税4,000円、経営4,000円
⇒合計41,200円
すべて大原の論文答練でそろえると150,800円となります。

論文答練については値段にかなりの差があるのであなたにとって支払える最適なものを選びましょう。

 

 

5.論文模試

論文答練の次にやっておきたいのは論文模試になります。

論文試験は8月に実施されますが、論文模試は4月、7月頃それぞれ実施されます。

4月までに基礎をある程度終わらせることができるのであれば4月の論文模試はぜひとも受けておきましょう。

論文模試は1回5,000円で全科目の採点をしてもらえる上に、各科目の順位だけではなく項目別に順位や得点が記載されるのでどこが弱点なのかを明確にすることができます。

4月の論文模試に間に合わない方は7月の論文模試は必ず受験しましょう。

 

会計士資格合格者が最も多い大原の論文模試は必ず受けておきたいところで、あとはできればTACか東京CPAのどちらかの論文模試は受けておきたいところです。金銭的に厳しいのであれば大原だけでもいいでしょう。

2つの論文模試を受けることをおすすめするのは、出題されたことは本試験でもまれに出題されることがあり、模試を受けていたかどうかが合否に大きく影響を与えるからです。

 

 

論文式試験合格に必要な費用

基準集 8,400円
租税テキスト 20,000円~25,000円
経営テキスト 10,000円~36,000円
論文答練 41,200円~150,800円
論文模試 5,000円~10,000円
合計 84,600円~230,200円

 

論文合格に必要な費用は  85,000円~230,000円

12月短答式試験合格で8月論文式試験合格を狙う場合
→月の費用は12,000円~33,000円
1年後の合格を狙う場合
→月の費用は4,500円~12,000円必要ということになります。

 

 

公認会計士論文式試験 独学合格まとめ

以上、会計士資格に独学で論文式試験に挑戦について紹介をしましたがいかがたっだでしょうか?

論文では短答のときに使っていたテキストが学校のテキストであればLECのテキストを除き論文試験にも利用できるので改めて購入する必要がないことを説明しました。

また、論文式試験は短答式試験のマーク式と違って記述されたものが採点されることから、合格するためには学校が行っている論文答練を利用することが必須であることを紹介しました。

 

金額的に厳しい方はオークションを利用すればかなり抑えることができるので、自分の状況によって使い分けるといいでしょう。

おすすめの記事

・論文に合格するためには「基準集」は必須。

おすすめのテキスト2022年度試験対応

 

独学でも模試等は必ず受けておきましょう。
また、抑えたい科目がある場合は専門学校を利用してもいいでしょう。

 

専門学校

専門学校を利用してみたい方は下記を参考にしてください。

一発合格を目指すなら計算力とバランスのよい大原がおすすめですが、経済的に厳しいという方はLECで一発合格を勝ち取れば費用は他校の半分以下となっています。それだけ難しいということでもありますが、LECをおすすめするのには理由があります。

LECをおすすめする理由

学校、仕事、家事等で忙しくなったとき、勉強がうまく進まなかったり、短答試験に合格できない場合は、論文の講座代が無駄になることがあります。
(LEC以外の専門学校は基本的に短答・論文代を含めた一括の講座となっているか、分割してある講座は合算すると通常より高くなります。)

知人は論文の教材がほとんど手つかずになってしまったと言ってました。
テキストや講義というのは最新を使わないとそれだけで数点不利になってしまいます。
数点を争う試験なだけにそれは大きなデメリットとなってしまいます。

他校ではこういうことが起こりえますが、LECでは短答だけの講座論文だけの講座と分けてあるので勉強にメリハリをつけて教材をこなすことができる上に、金銭面においても短答試験合格後に論文講座を受講という形をとることができるので損をしない選択ができます。また、もともと金銭的に安い大きなメリットもあります。

安いと聞くと内容が薄いのでは?と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、LECは科目ごとに論文講座があります。
「普通なのでは?」と思うかもしれませんが、多くの学校は論文講座はなく論文答練で実際に問題を解かせてそれを説明する形をとっています。そのため短答の理解から論文の理解へ短期間で引き上げる必要があります。
学生の場合は多くの時間が取れたり夏休みもあって時間でカバーできる部分もありますが、社会人の場合は困難になります。

それが結果となって表れています。

30代、40代を例に挙げると短答試験の合格率はほぼ同じなのですが、論文に限っては明らかに悪くなっています。
瞬発力・暗記力・計算力は若い世代が強く、思考力は社会人が強そうに感じるかもしれませんが実際は違います。

30代、40代の合格率を記事にしていますので気になる方はこちらをご覧ください。
こちらは監査審査会の合格状況から実際の数値を使って説明をしています。

【公認会計士30代】30歳や35歳から合格・就職できるのか?
【公認会計士40代】40歳、45歳で受験と転職は大丈夫?

論文こそLECで思考力を養い着実に合格ラインに上げることが重要なのです。
LECの論文講座は内容が濃いのでメリハリをつけて勉強をする必要があります。

LECのメリット・デメリット(評判)

LECの驚きの受講料金とスケジュール

おすすめの講座

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